【本】17031『書く力 私たちはこうして文章を磨いた』池上彰, 竹内政明

投稿者: | 2017-02-16

池上彰が竹内政明に取材した記録。
新聞ならではの気の遣い方などは興味深い。
しかしさらに実用的なのは、彼らがどのようなポイントを意識しながら文章を書いているのか、という点だろう。

少しずつ身につけられればと思う。

とにかく「書くべきこと」をはっきりさせる。それが「自分の書きたいこと」かどうかはさておき、その原稿の中で「書くべきテーマ」を明確にするということですね。そのときに背伸びをしてもいいことはないよ、と

竹内 テーマが決まった後に、「書き出し」をどうするかを考える。私も同じやり方をしています

それから「考えたことのすべてを文章に使うことはない」ということで言うと、私自身が心がけているのは、最初に自分の書いたものを、とにかく半分にしてみる

自分の言いたいことを三つの項目に切り分ける。そして、どの順番で話すかを考える。もちろん、長時間の講演会や本の書き下ろしでは、もっと複雑な構成を考えますが、このやり方が基本になってい

か。 竹内 一つは、「書き出し」を読んだだけでは「本来のテーマ」がわかりにくい構成にすること

もう一つは、「書き出し」と「オチ」を多少なりとも関連づけること

「保険」をかける感覚は、何かを発信したいと考えている人にとってはとても大事

ポイントは、原稿に必要な部品は自然と目の前に現れるのではなくて、自分から「探しにいく」というところだと思いますね。そうか、文章というのは、こうして作っていくものなんですね

一一月上旬で、火曜日、かといって一一月一日にならない。この条件を満たすのが、「一一月の第一月曜日の翌日」ということになるんです。  この話は、大統領選挙の解説をするときでも、キリスト教の解説をするときでも、アメリカという国の解説をするときでも、「部品」として、とても役立ってくれ

上 社説のように読者に緊張感を持って読んでもらいたいという文章は、最後まで絞ったままでいいのでしょう。でも、コラムはそうはいかな

どうすれば、よい短文が書けるようになるか。 「削る練習」しかない。毎日、文章を書いては削り、書いては削りを繰り返しているうちに、だんだん「余計な贅肉」が見えてくるはずです

「これは誰に読んでもらうものか」を常に意識しながら書く、というのが、文章を書く基本になる

小泉進次郎さんは、演説の勉強をするために、仕事の隙間を見つけては片っ端から落語を聴いているそうです。高座に足を運んで聴くこともあるし、落語CDを移動時間に聴くこともあると言っていました。それで、枕の作り方や間の取り方を覚えているんですね。彼の演説がうまいのは、そういう研究の結果なんです

〈あんたはカドが取れて、いい人だね。古い角砂糖みたいな人だ〉

普通に「敷居が高い」というのでは足りないくらいの不義理をしでかしてしまったとき、心境をどう表現するか、〈敷居が鴨居になっちまいましてね〉

夫婦二人きりの、ささやかな暮らしぶりを、どう言い表すか、〈茶碗で米とぐ世帯でも〉

渭城の朝雨 軽塵を浥おす 客舎 青青として 柳色 新たなり 君に勧む 更に尽せ 一杯の酒 西のかた 陽関を出ずれば故人無から

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