【本】『新しい学力』齋藤孝 #4

投稿者: | 2017-01-08

”アクティブ・ラーニングは学習内容ではなく、学習スタイルであることが重要”
”アクティブ・ラーニングでは、課題の設定が重要”
”学校では既に決められたカリキュラムをこなし、一定の教育内容を習得する必要がある。一方、家庭ではこれにしばられず、親の関心に従って自由に問題を設定し、考えることができる。”
”問題意識の持ち方、解決の段取りを建てるプロセスをじっくり持てるのは、個々の子供としっかり向き合える家庭教育の良さである。親子の対話を中心とした問題解決能力の向上は、コニュニケーション力の向上も生むだろう。”
”体系的な知識内容を問題解決型の方法で学習することで、一方では基本的学問知識を習得し、もう一方で問題解決能力を鍛えていく。…私は、この「両手」の在り方こそが目指すべき総合的な学力であると考える。”
“学ぶ意欲は2つのルートで形成されると思われる。一つは、何らかの理由で学習の初期段階からその内容に興味・関心があり、自分から学びたいと思うルート…もうひとつの意欲へのルートは「できた!」が先行してから意欲がわくルートである”
”日本のかつての教育の柱であった「型」の教育は、暗黙知や身体知を人から人へと移動させていく効果的な学習プロセスであったといえる。”
”発想力や想像力は知識という土壌に育つ植物である”
”子どもに学問を教えることが問題なのではなく、学問を愛する趣味をあたえ、この趣味がもっと発達したときに学問をまなぶための方法を教えることが問題なのだ。(エミールより引用)””まずは学問を愛する趣味を作ること、これが第一である”

齋藤孝による教育本。アクティブラーニングは重要であるが労力がかかるため、家庭でのほうが実現しやすい。基礎学力や型を学ぶことも重要な教育であり、こちらは学校の得意分野だ。アメリカ追従ではなく伝統的な教育を見直すべきとは筆者の主張だが、現在のアクティブラーニング重視の流れは、単なる海外へのあこがれではなく、パソコンやスマホの発達によるものでは。ゆとり教育が導入された時点とは少し意味合いが異なっていると思う。個別の問題ではなく、あくまで日本の教育全体のボトムアップを考慮した内容であることに注意が必要だが、よくまとまっていて面白かった。

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