【本】『日本的ナルシシズムの罪』堀有伸#5

投稿者: | 2017-01-08

”現実的な一体感が不在であることの苦痛を「躁的防衛」によって否認し、「想像上の一体感」を保とうとする。このような心の働かせ方が「ナルシシズム」”
”わがままな幼児のような夫の世話を焼く事で、「母親のように子どもの世話をする」というナルシスティックな空想、すなわち「想像上の一体感」が満たされる”

日本の極端な横並び主義・平等主義は、想像上の一体感によって成立する。その弊害として、誰もが上に行けるわけではない現実に対して激しい攻撃性が現れたり、足を引っ張り合ったり、タテの関係に比べてヨコの結びつきが生じにくいという特徴がある。日本ってどうしてこうなんだろうと思うことが、想像上の一体感、ナルシシズムという観点からある程度のまとまりを持って説明されるのが面白い。

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