【本】16142『世界を動かす巨人たち <政治家編>』池上彰

投稿者: | 2016-12-30

池上彰が、現在の世界情勢を動かす可能性が高い、プーチン、メルケル、ヒラリー、習近平、ハメネイ、エルドアンの6人について、その生い立ちや遍歴からその人の価値観について語っている。

ヒラリーについては、おそらく大統領になるのでは、という予測があったのでしょうが…。

政治家にしろ誰でも、その人の人格形成や価値観の醸成には、生い立ちや経歴が関係する。そういう意味で、上記の政治家について解きほぐした本書はわかりやすい。

“ドイツ軍によるレニングラード包囲と、東ドイツの崩壊。どちらもプーチンにとってのトラウマになったはず”

“メルケルの外交政策で特筆すべきは、二〇〇八年のイスラエル訪問でしょう。第二次世界大戦中、ナチスドイツによって六〇〇万人ものユダヤ人が虐殺されたことから、戦後、イスラエルの人々のドイツに対する嫌悪感は根強かったのですが、メルケルはイスラエル議会で、ドイツ語で演説。ドイツの責任についてユダヤ人に謝罪と反省を示しました。”

“アメリカにすると、急激に大国化しつつあるドイツは、歴史的に見て警戒すべき国であるとともに、東ドイツで育ち、学生時代に共産主義者として活動をしていたこともあるメルケルを、本当には信頼していないのでしょう。”

“日本語でチャンピオンといえば、トップのイメージですが、英語には、弱い者を守る「擁護者」のニュアンスがある”

“中国共産党幹部には二つの派閥の流れがあると言われています。共青団と太子党”

“ここで要職を占めていた耿飈の秘書となることで、習近平は、若くして軍に人脈を作ることができました。実際に汗水たらして現場の兵役を経験したわけではありませんが、この経歴によって、「軍にいた」という箔がつくのです。人民解放軍も、習のことを身内の人間と考えています。”

“「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対的に腐敗する」という、ジョン・アクトンの有名な言葉があります。”

“中国共産党は二〇一三年、一部の大学に対して、「七不講」と呼ばれる「議論してはいけない七つのテーマ」を指示しました。”
“1 人類の普遍的価値  2 報道の自由  3 公民社会  4 公民の権利  5 党の歴史的錯誤  6 特権資産階級  7 司法の独立  人類の普遍的価値について議論してはいけない。”

“トルコ国民のほとんどはイスラム教徒ですが、憲法に政教分離が明記されています。中東ではイスラム教を国教と定めている国もありますが、トルコは建国以来、政教分離を貫いてきたのです。これは、トルコ建国の父ムスタファ・ケマル・アタチュルクが打ち出した方針でした。”

“ロシアのプーチン大統領が、かつてのロシア帝国への郷愁に駆られ、中国の習近平国家主席が、明の時代に憧れるように、エルドアン大統領は、強大なイスラム帝国だったオスマン帝国の再興を夢見ている”

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