【本】17126『超ソロ社会 「独身大国・日本」』荒川 和久

投稿者: | 2017-12-09

これからの介護は家族を前提にしては成立しないよ、という話。
データも豊富で資料としていい。
都市化の流れは世界共通なので、「うつくしいくに」になるべく三世代同居への補助金を出しても効果はない。

15歳以上の人口に占める独身者(未婚+離別死別者)率は、男女合わせてほぼ48%に達する(次図)。

に、高度経済成長期の日本は95%が結婚した、いわば「皆婚社会」であった。

2016年10月に、2015年国勢調査の確定値集計結果が発表された(図1‐2)。それによると、生涯未婚率は、男性23・4%、女性14・1%だった(生涯未婚率の計算においては配偶関係不詳を除く)。これは、5年前の前回(男20・1%、女10・6%)と比較すると、男女とも3%以上も上昇しており、過去最高値である。

生涯未婚率というのは、「45~49歳」と「50~54歳」の未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率(結婚したことがない人の割合)を算出したもの

2035年には、男性3割、女性2割が生涯未婚となると推計されている。男性の3人に1人、女性の5人に1人は生涯未婚のまま人生を終えることになる。

2010年時点で男性31・2%、女性21・2%の生涯無子率ということになる(図1‐7)。

2035年推計としては、男性41・4%、女性32・0%が生涯無子率となる。約4割の男性と3割の女性が生涯子無しで一生を終える、

既婚無子割合である。1950年生まれの女性ではわずか4・8%だったものが、1990年生まれの女性では13・8%と、ほぼ3倍増なのだ。

年収が低い男性ほど生涯未婚率は高く、逆に年収が高い女性ほど生涯独身

1000万円以上の年収の女性の生涯未婚率は全体平均の10%の4倍近い。

イマドキの若者は、我々の時とは違う」という先入観でとらえてしまうから全体の本質を見誤る。80年代も現代も「彼女のいる率」はほぼ3割で変わらないし、現在50代前半の男性も今の若者も、10代~20代にかけて7割が性体験を済ませるし、いつまでも童貞のままの男性というのはいつの時代も一定数いるのだ。

配偶者に依存してしまう傾向は日本人に特に強い。 2010年に実施された内閣府の国際比較調査(各国60歳以上の高齢者を対象)によれば、「心の支えとなっている人」としての配偶者の割合が、他の国々と比べて日本人は高い(

2014年3月に東京都が発表した資料によれば、「2030年に東京都の単身世帯比率は47・2%に及び、35年には50・2%と初めて過半数を超え、世帯の半数以上が『単身世帯』となる」

一人ひとりが「ソロで生きる」力と覚悟を持たなければ、共倒れという悲劇が待っている。子どもだから、夫婦だから、家族だからといってずっと面倒を見てくれるなんて幻想かもしれないの

8年後、2014年8月に、この男性は琵琶湖周辺で遺体となって発見されていた。自殺だった。

結婚したとしても最後はソロに戻るということ、子どもがいたとしてもすべてを依存してしまうことで起こり得る悲劇があるということ、それを忘れてはいけないと思う。高齢社会で長生きする分だけ、我々自身がその期間の生き続けるコストを知るべきだし、その覚悟が必要だ。 

た。消費性向では、女性75%に対して男性は60%

単身男女の消費支出実額で比較すると、決して男性の消費力が弱いとは言えないのだ。 単年度で見ると、男女で上下があるため、2007年から2015年の9年間の実績を平均して比較してみる(次図5‐3)。34歳以下では男性16万8429円、女性17万5756円とやや女性が上回るが、35~59歳では男性19万6917円、女性19万300円と逆転する。ちなみに、2人以上の世帯の平均は31万7975円だが、これは平均世帯員3・4人の数値である。

ソロ男の消費の特徴は、高いエンゲル係数と娯楽費で

結果、この25年の間にソロ生活期間は男性で8年、女性でも6年も増えていることになる。

根強い結婚規範や無意識の家族信仰によって、ソロ男・ソロ女は「結婚しない状態の自分」に認知的不協和を感じているのだ。だからこそ「未婚で家族を持たない人間は不幸だ」という理屈を打ち消すために「未婚で家族はいないけれど十分幸せを感じている」という事実をつくりたがる。その代償行為が「承認」や「達成」を満足させる消費行動につながっている。

以前のように、「皆がそうだから」という集団心理ではなかなか動きにくい。個々人が「承認」と「達成」とをいかに感じられるかどうかがポイントなのである。

もっとも支援を集めたのは、映画のエンドロールに名前がクレジットされる権利(1万円)で、1993人が支援している。何かモノが提供されるのではない。一緒に作り上げた、という達成感を求めているのだ。まさに、運命共同体であり、言葉は悪いが「共犯者」でもある。

シェアキッチンという業態は、すでにいろいろと存在するが、現在のような貸しキッチン的な形態では広がりがない。食品を買う買い場と個々人のスキルを共有できるコミュニティの場を併せ持った形での展開が待たれる。

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