【本】17090『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』山中伸弥, 是枝裕和, 羽生善治, 山極壽一, 永田和宏

投稿者: | 2017-07-06

現代の偉人たちにインタビューした本。
面白かったのは、山中伸弥先生、山極寿一先生の項。
まとめると「夢中になっていることに挑戦しなさい」という陳腐な言葉になってしまうが、彼らの人生のなかでどのようなチャレンジをしてきたかが書いてあり、面白い。

アメリカにいたときは、私の力ではなくて、私の後ろ盾となってくれていた高名な先生方のおかげで論文が通っていたわけです。そのことに帰国してからやっと気づきました。

今お話しした中では、ほとんど何のツテもない中で三十歳のときにアメリカに行ったこと。そして、三十七歳のときに奈良先端大に移ったことだと思います。

どんなことでもいいから、「あのときはこんなことに夢中になっていたな」というのがあったなら、それがうまく行こうが行くまいが、絶対自分自身の成長につながっていきます。

人間は、誰でもミスをするものです。ですから挑戦をしていくときに大切なのは、ミスをしないこと以上に、ミスをした後にミスを重ねて傷を深くしない、挽回できない状況にしないことだと思っています。

先進国とされる国の中で、人間以外の霊長類が生息するのは日本だけ。

顔をのぞき込むのは、実はゴリラ流の挨拶だった

山極 人間の子どもは、チンパンジー的な感性とゴリラ的な感性の両方を持ち合わせていると思います。チンパンジーは相手の気持ちを乱すことが大嫌いなので、相手に喜んでもらおうと、一生懸命、相手に合わせようとする。だから何かを教えやすい。ゴリラ的な相手に従いたくない感性とは違うんですね。

山極 自分の人生を振り返ってみると、つねに他人にできないことをやろうとしてきたと思うんですね。自分にしかできないことを探そうと思ってきました。それはある程度、実現したようにも思うし、あのときこうしておけばよかったなと、思うこともけっこうある。でも、自分にしかできないことは何だろうと、思っていたほうがいい。あなたというのは、この世にひとりしかいないんだから。他人ができることであれば、自分にもできる。そういう考え方も世の中にはあります。でも、他人にできるのだから、その人に任せればいいじゃないですか。

山極 そうですね。人間の一番重要な能力は、諦めないということです。動物はできなかったら諦めちゃう。人間はしつこいんです。なかなか諦めない。失敗しても失敗しても諦めない。だから人間は空を飛べるようになったし、海中深く潜れるようになったし、様々な道具を発明して、人間の身体以上のことができるようになった。

山極さんの学問は、大学という場のなかで、研究環境を与えられてなされたものではない。フィールドワーク。

山極さんの言葉のなかに、人との交渉術も学問のうちだという名言があったと思うが、そんな交渉の努力なくしては学問、研究自体が成り立たない環境のなかで仕事をしてきた人

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