【本】17027『UXの時代_IoTとシェアリングは産業をどう変えるのか』松島聡

投稿者: | 2017-02-12

洋書によくある体裁につられて買ってしまった。
内容に目新しさはないが、ユーザーエクスペリエンスというキーワードから様々な技術を考察しているのは面白い。
Amazonの成功も、徹底した顧客目線があることは有名だ。

医療においても、患者視点で考える必要がある。長過ぎる待ち時間、大切な説明が短いこと、などなど課題にキリはない。
不満があるところに需要がある。保険診療の枠組みで対応するのはバカげているが、ビジネスとして参入する企業がいてもおかしくない。
「医療は単なるサービス業ではない」という頑固な意見もあるが、その言葉自体がサービス業に失礼だということに気づくべきだ。

所有する経済の限界とシェアリング、リサイクルの波  シェアリングエコノミーの根底にあるのは、産業が大量に生産したものを所有するという行為の拒絶・否定だ。

今起きているユーザーの反乱は、彼らが企業の提供するものに価値をあまり認めなくなったことから生まれている。これまでの企業はユーザーのニーズを把握して、そのニーズを満たす商品やサービスを提供してきたつもりでいるが、それはあくまで設備や組織といった企業のリソースの都合で生みだしてきた商品・サービスにすぎない。  これからの企業はそうした既存の枠組みから脱却し、ユーザーが何に感動するか、価値を得るか、つまりUXをいかに最大化するかを基準に、ビジネスモデルを再構築しなければならない。

「垂直統合型」とは、原料調達や製造、物流など、関連するあらゆる事業を傘下に置く一貫体制のビジネスモデル

そういうUXにおいては「どのメーカーのどんな車に乗るか」ではなく、「車に乗ってどこに行き、何をするか」が重要になる。

産業界の枠を超えた消費者発信のサービス

自社の競争力の源泉となるようなシステムは、事業部門と一体でなければ創り出すことができない。それはまだ存在しないビジネスモデルやサービスを創造するイノベーションの一環だから

古い産業の枠組みが通用しないこれからの時代に、社会のニーズに応え、成長していくのは「何屋」でもない企業だ。その中から社会を変えていく新しいパワーが生まれてくるだろう。

20世紀のICTが社会にもたらしたのは、主に効率化による生産性の向上であり、その意味ではあくまで18~20世紀前半の技術革新の延長線上にあったと言える。  

21世紀に入ってテクノロジーにも大きな変化が生まれつつある。ICTが高速化や効率化といった量的な価値だけでなく、人より賢い機械、人の代わりに仕事をするロボットなどを次々と生みだし、人と社会に質的な変化・進化をもたらそうとしているのだ。

現在、フィンテックビジネスには仮想通貨、スマホ・ウェブ決済、クラウドファンディング、オンライン融資、個人財務管理(PFM)、投資支援、経営・業務支援という7つの分野が存在するという。これらの分野がただ分立しているのではなく、スクエアのように分野の垣根を越えてUXサービスを展開している企業も多い。

ユーザーにとってモノは手段であって目的ではない。手段に対価を払うのは目的である価値を得るためであって、モノを買って所有するためではない。製造物中心主義の日本ではこの点が理解されない。

メーカー、ディーラーの連携によるロジスティクスネットワークを構築することで、材料の供給もスムーズになり、メーカー→ディーラー→医療機関という垂直型の供給に、水平型の地域連携が加わり、最終的には医療機関同士が材料をシェアする地域医療連携の互助システムの一部となることをめざしている。

「タレント」とは売れる製品を企画・設計・開発できる人材のこと

UXリーダー」が、酒井の考える「タレント」と異なるのは、製造業や流通業、サービス業といった既存の区分を超えて、ゼロベースでUXを考え実行できる

UXビジネスを創造するためにまずやるべきなのは、自分がユーザーになれる分野を選ぶ

この10年間にスタートして急成長したビジネスの特徴は、既存の概念にとらわれず、ユーザー起点で発想されたシェアリング型であること。もうひとつの特徴は、既存の業界の枠組みではなく、これまで業界を横断的に支えてきたロジスティクスのリソースを基軸としている企業が多いことだ。

私の経験からお勧めしたいのは、なるべく早い段階から法律の専門家を仲間に加えること

転職というキャリアアップの手段もそれほど意味を持たなくなる。人材は便宜上どこかの会社に所属しながら、その会社だけでなく、様々な会社、場合によっては様々な業界の仕事をするようになるから

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