【本】『医学の勝利が国家を滅ぼす』里見清一#97

投稿者: | 2016-11-28

”同じ75歳でも、バリバリ現役で働いている人もいれば、もう寝たきりになっている人もいる。その通りである。しかしそういう社会的な活動度で選別をすることこそが、不公平ではないか。社会への貢献とかなんとか言い出せば、ではたとえば生まれながらの障碍によりずっと介護を受けていなければいけない人は、相対的にでも早く諦めろ、ということになる。それこそナチス的な発想に他ならない。”
”新潮社のGさんは、「医療と高齢化の話はあまりに大きな問題で頭がクラクラしたが、人は本当に大切な問題は考えようとしないのではないか。安保法案で盛り上がれるのは、あれがどうでもいいことだからだ、と思う」とコメントしてくれた。私も同意する。みんな「どうでもいい」と分かっているから、安心して騒げるのだろう。”

出口治明さんは、働くという面に関しては年齢フリー社会であるべきと言っていた。しかし命に関してはどんな人であっても一律に年齢で区切ってしまうのが、優生学的な考え方を排除する唯一の方法であるという筆者の考えに納得した。よくぞそこまで言ってくださったという感じがあるが、あまりに正論すぎて炎上しないというのは面白い。生きるためのコストをいくらでもかけられるようになった現在、年齢に関わらず、何のために生きるのかを考えなければいけないようである。特に非医療者の方におすすめ。

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