現在の世界情勢を鑑みながら、民主主義の変遷について書いた書籍だ。
論文といっていいくらいに堅い文体で、決して読みやすくはないが、わかりやすい。
『問題は、公的決定の内容をどうするかということだけでなく、どこまでが公的決定になじむものか、という公的なものの領分を定めるものであること』
これは重要な指摘だろう。民主主義を考えるうえで、その事項が公的決定に委ねられるべき問題かどうか、というのをまず考えなければならない。
『東アジア諸国では、経済発展、民主化、言論の自由化とともに、ナショナリズムは強まる傾向にあり、軍拡などによる緊張も高まっている。』
現在のフィリピンなどが、まさしくそうだろう。
民族についての記述は別書で詳しくみるので、ここではおいておく。
勉強になる本であった。