【本】『知ろうとすること。』早野 龍五, 糸井 重里 #42

投稿者: | 2016-06-06

”何か大きな問題が起こったときに、大きい声を出したり泣いたりして伝える、っていう手法は、歴史的にずっとあったわけです。戦争中もあったし、学園紛争の中でもあった。でも、本当に問題を解決したいと思ったときには、やっぱりヒステリックに騒いだらダメだとぼくは思うんです。”
”ひとくちに科学といっても、コンピュータの進歩に大きく影響されるものもあれば、政治的なことに影響されるものもあり、どんどんそれぞれの専門分野が深まって難しくなっていくんでしょうね。 早野 そうですね。だから、似たような分野であっても、専門が少し変わるだけでまったくわからなかったりします。 糸井 言ってみれば、総合病院化してますよね。だから、優秀な窓口になる人が必要になってくるのかもしれない。”
”最近「ゼロからプラス」という強い意識を持って取り組んだのは、福島の高校生をジュネーブに連れて行ったことです。まさに「未来につなげよう」というはっきりとした思いを持って取り組みました。”

相馬のシンポジウムの後、改めて早野先生の本を読んでみました。私の知りうる限り、最もわかりやすく信頼の置ける、福島第一原発事故の影響についての解説です。早野先生のわかりやすい説明を、糸井さんが感覚的にもわかりやすく言い換えたり例えたりしておられて、穏やかな調子で語られているとても良い本です。早野先生の真摯な姿勢に身が引き締まる思いがしました。専門分野が深まると優秀な窓口が必要、とは専門医制度にも言えること。全員が窓口になるべきということでは全くないのです。

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