【本】16078 目の見えない人は世界をどう見ているのか by 伊藤 亜紗

投稿者: | 2016-07-15

本書が言うように、”人が得る情報の八割から九割は視覚に由来する”。
では、目の見えない人はどのように世界を把握しているのか、それを描いたのが本著だ。

最近であれば、人口網膜などをつくって視覚を取り戻すという試みもある。一方で、目の見えない人は、時として我々以上に世界を把握している。
例えば、
“見える人は三次元のものを二次元化してとらえ、見えない人は三次元のままとらえている。つまり前者は平面的なイメージとして、後者は空間の中でとらえている。  だとすると、そもそも空間を空間として理解しているのは、見えない人だけなのではないか、という気さえしてきます。”
このように、目の見えない人は常に世界を三次元的に把握する。

だとすれば、目の見えない人にとって必要なデバイスは、彼らの感覚に沿うようなデバイスである。我々の感覚にあわせたデバイスは、彼らにとっては使いづらいだけだろう。

“従来の考え方では、障害は個人に属していました。ところが、新しい考えでは、障害の原因は社会の側にあるとされた。見えないことが障害なのではなく、見えないから何かができなくなる、そのことが障害だ”
この考え方は重要だ。本当にバリアフリーな社会であれば、どのような障害があっても、それを障害と思う必要はない。

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