こちらも将来予測系の本だ。
センサー、AI、機械学習によって起きる産業革命を、筆者は第四次産業革命と呼ぶ。
ご多分に漏れず、本書も医療に割く度合いが大きい。
どの本にも医療に関する項目が書いてあり、期待度の高さを思わせる。
これだけたくさん書いてあると、果たして本当に医療は変化できるのだろうか、と逆に疑ってしまうのは、ひねくれているからだろうか。
もちろん、患者に利益をもたらす変化を期待するし、その変化を恐れてはいけない業界だ。
“デジタル化とは作業の自動化を意味し、それは企業が収穫逓減の法則を経験しなくても済む(あるいは収穫逓減の度合いが弱まる)ことを意味している。”
“今日、富を築くのに必要な従業員数が一〇年ないし一五年前と比較してはるかに少なくてすむのは、デジタル事業の限界費用がゼロに近づきつつあるためだ。”
“第四次産業革命の大きな受益者は、知的資本または物的資本の提供者であるイノベーターや投資家、株主となっている。”
“高齢化は経済問題である。高齢者を労働力として貢献可能にすべく大幅な定年の引き上げ(多くの経済的利益をもたらす経済的緊急課題)を行わないかぎり、労働年齢人口の減少と扶養高齢者の増加が同時に起きるからだ。”
“第三次産業革命はデジタル・プラットフォームを生み出しただけだった。第四次産業革命の特徴は、現実世界と密接なつながりを持ったグローバル・プラットフォームを生み出したことだ。”
“医療界も、デジタル、物理的、生物学的な技術革新が同時に起きており、その統合という難問に直面している。たとえば、新しい診断方法や治療法の開発、カルテのデジタル化の推進、ウェアラブル機器や埋め込み技術で収集可能となる豊富な情報の活用といったもの”
“中国のジニ係数は、一九八〇年代の約三〇から、二〇一〇年時点で四五以上に上昇した”
“自分の健康状態――睡眠時間や運動量、日々の歩数、摂取カロリーや種類など――をモニターするデバイスを装着し、情報を保険会社へ提供することに同意するなら、保険料を割引するというものだ”
“医療システムでのコスト削減(入院日数と医師の往診回数の減少、服薬状況の監視)”