【本】17128『科学が教える、子育て成功への道』

投稿者: | 2017-12-10

教育の話。こういう話は子育てに限らず、人を育てるときと一緒。
正解を教えるよりも一緒に調べる。
親が面白いと思ったことは子どももやるようになる。

この本で繰り返し示される「成功」とは「健康で、思慮深く、思いやりがあり、他者と関わって生きる幸せな子供を育て、皆が他者と協力し、創造的で、自分の能力を存分に発揮する責任感溢れる市民となる」こと。

六つのCの力=6Csを提唱しています。それはコラボレーション(Collaboration)、コミュニケーション(Communication)、コンテンツ(Content)、クリティカルシンキング(Criticalthinking)、クリエイティブイノベーション(Creativeinnovation)、コンフィデンス(Confidence)の六つ

一 私はただ事実を覚えるために勉強するのではなく、知識のシステムを作るために概念を深く学びます。二 私は「学び方を学び」ます。なぜなら情報は無限に増え続けるからです。三 私はよく寝て、朝ごはんをしっかり食べます(これはずっと大事なこと!)。四 私は難しいこともすぐに諦めず、他の人とコラボレーションして、問題解決にチャレンジし続けます。五 私は学んだことをどう現実場面で応用するかいつも考えます。知識は使う練習をしないと錆びついてしまうからです。

二一世紀において「成功」するためには、「対話する能力」が全ての子供達にとって最も大事なスキルとなることを認識している。そして、これらのスキルは、グローバルな視野を取り入れながら、文化の違いを意識して伝えられるべきだと考えられている。

公衆衛生学の専門家である、ジェファーソン大学のロブ・シモンズの言った「グローカル」の精神が今世界で求められている。

しかし、シンガポールはトップダウンの決断がすぐに実行できる上意下達の政治体制であり、これが幸いして、早速、ただ賢いだけでなく、創造的な人材を教育することを保証する新しい教育システムを採用したのである。 

フィンランドの教師が給与面で恵まれていると同時に、一流の専門家として尊敬されていること

次世代の本当の勝者は、大量の情報を篩にかけ、課題解決のために必要なものを選び、軽量で低燃費の車を発明できるような人

これまでの数十年間は、コードを書くことのできるコンピュータのプログラマー、契約書を作成できる弁護士、財務の数字に強いMBA保持者のような、ある分野に精通した特定の人達が世の中を動かしていた。しかしそんな時代は過ぎ去った。未来はこれまでとは全く異なる心を持った人達が動かしてゆく。それは創造性溢れる人、共感力の高い人、パターンを見つけられる人、そして意味を作り出す人である。芸術家、発明家、デザイナー、物語の作り手、人の世話をする人、元気づける人、そして大胆な構想を考えられる人が、社会において大きな報酬と大いなる喜びを得るのだ。

グローバル経済の世の中だからこそ、コラボレーションすること、情報を共有すること、そして他の人を説得するためのコミュニケーションスキルが必要だ。

研究者が検証したところ、泣き声の違いによって赤ちゃんの言いたい意味を解読できないことが判った。苦痛の度合いについて知ることはできても、「オムツが汚れた」「食べ物頂戴」といった意味まで泣き声だけで区別することはできないのである。

仲間とレストランに行った時、テーブルの真ん中に携帯電話を置く。食事をしながらワイワイ盛り上がっている最中に、我慢できなくなり最初に携帯を手にした者が全員の食事代を支払う

私達が子供に問いかける時は会話が続く問いかどうかをよく考えよう。そのために、オープンエンドの問いを投げかけることが重要だ。

バンダービルト大学のデビッド・ディッキンソンは「五回続けよう」を合言葉にし、子供とやりとりする時は、必ず五回やりとりすることを心がけようと提唱している。

我が子に「自分の言葉で語ってごらん」と語りかけることで、親は子供の言葉の成長を大いに助けることになる。

ローマ帝国時代の歴史家プルタルコスは「教育とはバケツをいっぱいにすることではない。火をつけることだ」と言った。

ウィスコンシン大学のジェニー・サフランは、八か月の赤ちゃんが繰り返される事象のパターンを認識していることを明らかにした。

レベル2の学びの始まりは言葉が利用できるようになることと連動している。子供は言葉で大人に問いかけられるようになる。これが大人を時にイライラさせる。子供が延々「何で?」と聞き続けるからである。レベル2の段階では知識は明確で曖昧さを許さないものだと捉えられているので、この段階に到達したばかりの子供は「正しい」ことしか受けつけない。それで時に周囲の大人を困らせるのである。

一〇歳になると実行機能スキルが向上し、課題に応じての切り替えが柔軟になり、子供は段々と既に学んだ知識を新しい状況での問題解決に使えるようになる。

果実について学ぶ授業を行ったが、初めは何が果実かすら分からない子供がいるような状態で「胡瓜って果物かな?」「果物って甘いもの?」「じゃあトマトは?」という質問にも興味を示さなかった。そこでこの先生は移民の人達が買い物に行くマーケットを回って、子供達が見たことがないような世界中の果物を集めてきた。子供達の興味は一気に高まり、実際に食べてみたりした。優れた教師はこうした工夫を織り交ぜて、子供の興味を引き出そうとするのである。

もう一度学びを促進させる四つの条件を思い出してほしい。自ら率先して行い、没入して関与し、意味を見出し、社会的に関わり合うことで、抽象的な知識を覚えるのでなく現実の問題と繫げて、学んだことをより深く理解できる。どうしたら学校で学んでいるコンテンツと子供の興味を繫げられるだろうか。

自分の子供に「教える」のではなく、自分の子供と「面白がって一緒に学ぶ」ということ。

学びを深く愛する子供が育つために何よりも心がけたいことは、子供が関心を示した物事を本気で受けとめる大人の姿勢だ。

ユーモアは他者がわざと実際とは異なることを考えたり、間違って見せたりするということを子供に教える役割を持っていると言えよう。と同時に、ユーモアを通じて同じ行為が複数の意味を持つという考えを、小さい子供は理解してゆくのである。

遊び部屋を作る時も、学校を見学する時も、常に「この場所は創造力を刺激するか?」と問いかけよう。

「ビジョン」は当たり前と思われている状況を再検討し、もっとうまくやる方法があるのではないかと考えるところから生まれる。

そこでブラウンと共同創業者のケリーは大人が遊び心に溢れた子供に戻るための「ルール」を作った。「すぐに判断するな!」「(アイデアを出す時は)とにかく沢山出そう!」といった「ルール」によって、大人が失われた自由を取り戻し、自己検閲することなく流れに任せて思いきってアイデアを出せるようにしたのである。 もう一つのルールはすぐにアイデアをプロトタイプとして形にすること。但しそのプロトタイプは作り込んだものではなく雑なものでいい。大事なことは実際に手でいじり、具体的にイメージして「ビジョン」を得ることだ。

正解を発見する能力ではなく、粘り強く努力することこそ大事だというメッセージを伝えることが自信を育てるカギ

ほんのわずかな時間の遊びであってもバービー人形のような性別を強調するような玩具は、社会が持つ女性に対してのステレオタイプを子供に持たせることが分かったのだから。たとえ短い期間であっても、子供が何と遊ぶかによって、自分をどう見るかというイメージが変わり、自信の形成にも深く関わるのである。

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