【本】17111『成功する人は偶然を味方にする–運と成功の経済学』ロバート・H・フランク、月沢李歌子

投稿者: | 2017-08-29

経済学というほど大したことではなかった。
成功した秘訣は思いつきやすいが、その秘訣は大抵が幸運の賜物だったりする。
だから、成功し続けようと思ったら、その幸運が舞い込み続けるように努力すべきである。

つまり、周囲の人への感謝を忘れてはいけない。

ものごとが起こったあとだとなぜ起こったかという理由を考えつきやすい、というのがラザースフェルドの論点である。 社会学者のダンカン・ワッツはラザースフェルドの研究をさらに進め、めったにない成功が起こったときは後知恵バイアスがとくに強くはたらくと主張した(2)。そこで問題となるのは、成功が必然であるかのような説明をつけるのは、ほとんどどんなケースでも簡単にできることだという。

マタイ効果とはいわば人生における好循環・悪循環の原則のことで、「持っている人はさらに与えられて豊かになるが、持っていない人は持っているものまでも取りあげられる」

現実と思い込みが乖離しているもうひとつの例は、成功したときは幸運の役割を軽んじるのに、失敗はすぐさま不運のせいにすることだ。

将来のすべての業績は自分ひとりで成し遂げるもの、過去のすべての成功は大いなる恩恵を受けたものと考えるべきである……

作家F・スコット・フィッツジェラルドが述べたように「一流の知性とは、2つの対立する考えを同時にもち、はたらかせる能力を保ち続けることである」。

「幸運バージョン」を読んだ高学歴の被験者は「能力バージョン」を読んだ高学歴の被験者よりも、ジョンソンを雇うと答える傾向にあったが、その他の被験者では逆の結果になった。だが、統計上有意な差ではなかった。

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