シンプルにリクエストするとか、存在を承認する(相手の差し出したものを大切に受け取る)という考え方は新鮮。コーチングを取り入れるためには高度な感情コントロールが求められるが、それは全ての親に必要なことなのだ。なかなか大変である。
「最初から最後まで聞く」には、「そのとおりに理解しようとする」には、自分のやっていることをやめて、自分の予測を脇に置いて、自分の価値判断をいったんは手放して、そのことに耳を開くことをしなければなりません。言い換えれば、自分の体と気持ちを相手の心の隣りに派遣して聞くことが、「聞く」という行為らしいのです。 277
「エンジェル・アイ(天使の目)」という言葉があります。これは、コーチや組織のリーダーがクライアントや部下の話を聞くときの一つのモデルとなるような眼差しを表す言葉です。相手を無条件で受け入れる、そう決めている人の「目」の表情です。 303
先達コーチの教えより 目の前にいる人の未来に対して心からの尊敬と関心があったら、 オープンだのクローズドだのにこだわらず、どんな質問をしてもいい。 564
存在承認や行為承認がなくて結果承認だけのコミュニケーションは、人をかえって不安にさせると言われています。 588
「世の中には二種類の人がいます。一種類は、『誰か自分のこと認めてよ』と、認められるのを待っている人。もう一種類は、『暇さえあれば、すきあらば、人のことをアクノレッジしよう』と思って生きている人。僕は後者を選ぼうと決めたんです」 609
相手の「存在」を承認する行動の中の一つに、「子どもが差し出したものをもらう」、それも、「心から感謝して、もらう」ことがあるのではないかと思います。 657
親が子どもに何かをあげることによってその子を認める、ほめようとすることはふだんよくやると思うのですが、ともすれば差し出すことばかりに意識が向きがちです。まず、子どもから差し出されたもの、子どもが言うこと、子どもが表現してくることを受け取る、ただ受け取るのではなく、大切にもらう、それを意識して行うことが子どもの存在を承認することになる 675
シンプルにリクエストする、というのはコーチングスキルの中でも基本中の基本 784
要望とは「純粋にその人のために、それを求める」というスキルです。先生、上司、親……何か役割を背負って、その役割から「ねばならないこと」を伝えるのとは違います。 804
*ご自分のコミュニケーション・タイプは、セルフテストのサイト『Test.jp』http://www.test.ne.jp/で調べてみることができます。 942
その人にどのようなリソースがあるのかをコーチングの中で聞いていく作業は、お互いに生き生きする瞬間です。使えるものが見つかってうれしいという感覚だけではなく、二人でリソースを発見していく過程そのものに楽しさがあるのを感じます。 最近、今この瞬間に味わっていること、今この瞬間にしている体験の中にたくさんのリソースがあるのではないかと思うようになりました。この瞬間に味わっている現実の中に素晴らしさを見つけ出せたら、そのときどきに小さなことを喜べたら、力強く未来に向かっていけそうな気がします。 1114
生徒は見ているのかもしれません。誰が自分たちとの関わりを切ってしまうのか。そして、誰が自分たちとの関わりを切らないと決めているのかを。彼女の「関わりを切らない」と決めている姿勢に生徒たちが応えてくれたのだと私には思えました。 1240
前述の、コーチ・エィ会長・伊藤守は、コーチングのときに、一つだけ心に祈ることがあるのだそうです。それは、 「私は裁判官ではありません」あ、違う、「私は裁判官ではありまへん」というものです(教えてくれたとき、確かに語尾は「ありまへん」でした)。 コーチは判断を下す人ではない、判断はその人に任されている。もっと深く突っ込んで考えれば、「判断は事実に任されている(判断はとりあえず脇に置いて、もうちょっと事実をじっくり見てみようよ)」という、コーチとしてのスタンスを感じます。 私はこの言葉を、伊藤が「祈り」として紹介してくれたことにとても興味を覚えました。コーチとしての「スタンス」でも、「ポリシー」でも、「あり方」でもなく、「祈り」であることに敬意を払いました。 1322
これからの人生で味わうであろうすべての感情を、私は全部味わう、と決める日。 それが「素晴らしい日」。