【本】17016『フランスはどう少子化を克服したか』髙崎 順子

投稿者: | 2017-01-27

フランスでの出産・育児補助制度について書かれた本である。
フランスは、自国の文化を守るために、フランス国民を増加させる政策をすすめている。

極端な少子化が進む日本では、少子化対策が謳われているものの、子供の教育への投資は行われていない。

認可外保育施設などが問題視されているが、重要なのは取締よりも、問題のある施設の情報公開であろう。介護もそうだが、需要に対して公的な供給が追いついていない以上、民間サービスに頼る人が出てくるのは当然である。すべてを問題視して取り締まっても、地下へ潜っていくだけだ。

少子化対策は、経済対策でもある。一時的には社会保障負担が増加するが、20年後にはその世代は納税者へと変わる。高齢者の医療費が膨れ上がるのとはわけが違う。どちらの優先順位が高いか、明らかなはずだが…。

フランスでは毎年9月、その年に満3歳を迎える子供、つまり2歳9ヶ月から3歳8ヶ月の子供たちが一斉に、「保育学校」に入学します。ここはフランス国内のすべての子供が入学できる週4日半・3年制の学校

義務教育以前の子供たちを、言語や社会性の発達が著しい3歳を境に二つの年齢層に分ける。そして上の年齢層を「教育」の枠に入れる。これは幼児教育政策であるとともに、保護者と保育業界の負担軽減策にもなっているのです。

この国で育児をしながら、私は一つのことを強く感じるようになりました。それは「ここでは、子育ては大変だと認められている」ということ。こんなハードなこと、親だけでできるわけがない。だからまわりが手を貸そう。その考えが、親戚・ご近所・友達付き合いをはじめ、社会全体に行き渡っています。

言い換えると、「親の育児能力」に対する期待が低いのです。親だけで子供を守り育てることはできないと、みなが思っている。

赤ちゃんの誕生後、サラリーマンの父親には3日間の出産有給休暇(Le congé de la naissance)があります。

出産有給休暇が終わった男性には、今度は11日連続の「子供の受け入れ及び父親休暇」(Le congé de paternité et daccueil de lenfant)が

子育ての当事者でない人たちには、今の子持ちは優遇されてていいねという気持ちは当然あると、僕の職場でも感じます。でも口や態度に出すことはない。それは大人として恥ずかしいことなんです。子供は社会に必要な存在ですから」

フランスの助産師は、上級の医療専門職。日本では看護師の延長線上に助産師の資格がありますが、フランスではまったく別のカテゴリー

国立統計経済研究所が、成人男女が家事にかける時間を世帯種類別に調べたもので、「子供のいる男性は家事の3分の1を担っている」というデータが出たのです。すごい、3分の1も! と興味を持って調査結果を見たところ、男性が受け持つ家事の多くは「半余暇」と言われるものでした。その内容は、犬の散歩・庭仕事・日曜大工など。

3歳未満の幼児数に対して全国の保育園定員数は約16%と、絶対数が少ないのです。また大都市と農村部の保育事情の差が激しいのも特徴です。例えばパリの保育園定員数は3歳未満の幼児数の30%超、北部の都市リールでは49%に及ぶ一方、わずか6%という自治体

日本はどうかと言うと、全国の就学前児(0~5歳児)の人口に対する保育園定員数は認可園分が40・5%(厚労省「保育所等関連状況取りまとめ」平成27年4月1日より計算)、認可外保育所分が2・7%(認可外は定員設定が義務付けられていないため入所児童数、

「シッターさんは、人によって本当に差があるの。子供が好きでしょうがない人もいるけれど、それは少数派。こう言っては失礼かもしれないけれど、シッター以外にできる仕事がない女性も多いんだよね」

幾つかのデメリットはあれどシッターの需要は変わらず、むしろ同様の雇用が老人介護の業界にも広がっています。

フランスは歴史的に階級社会なので、世帯収入による生活の違いは数世代にわたって定着しています。現代でも保育園は低~中所得者のもので、高所得者たちの間では「まず入れないもの」と認識されています。

国がどれほど母親アシスタントに肩入れしても、保護者が最も強く求めるのはやはり保育園です。前述した物理的・経済的負担の軽さに加え、フランスでは乳幼児期の団体生活こそが子供の社会性を養うという考え方があり、保育園は3歳全入の保育学校への良い下地作りの場とも見られているからです。「3歳までは母親と過ごした方が良い」という3歳児神話がまだ根強い日本から見ると、対照的な考え方に思えます。

これまでも民間企業が福利厚生として従業員の保育支援をすることはありましたが、そのほとんどが企業内保育園、もしくは従業員自らが手配した保育手段に対して補助金を支払う形でした。バビルーの方法はいわば、保育支援の新しいアウトソーシングです。

特に経済的に恵まれない地域の子供たちに対しては、早急な対策が求められています。そうして新たに提唱されたのが、保育学校の早期入学、つまり2歳児を受け入れる政策でした。2014年にスタートしてからの3年間で、全国1089の「教育優先地域」を対象に、この地域の対象年齢児童の30%を進学させることを目的

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