深海や山の上など、人間からすれば極限状況にあるような環境に暮らす生き物について研究している筆者が書いた、生き物の話。
こういう話でいつも思うのが、周辺知識・関連知識を摂取することを心がけたい、ということだ。
本書では、生物のことから人間社会について語るなら、もう少しそれについて知識を持っていてもいいのではないか、と感じてしまう。
たとえば、人間社会をオス中心社会、と断じているが、それはつい最近の話だ。母系社会も存在したし、血筋、イエなど血統のとらえかたも文化によって違う。
その辺り、もう少し考察があるとさらに面白かっただろう。
“あなたが知っている以外の「命の育み方」がある。 ・人がやりたがらないことをすると、人の知らない発見に出会える。 ・「今いる場所」「今の自分」から脱却すれば、新しい世界が開けてくる。”
“これまでの常識に照らせば「奇妙」かもしれませんが、地球全体から見れば、少しも珍しくない「ふつう」の生き物だ”
“東アジア人の遺伝子は、約3%がネアンデルタール人由来のもの。それに対して、ヨーロッパ人は約4%がネアンデルタール人由来という差があります。 では、この差によって、どんな違いが生じるのか。そのひとつが「寒さへの耐性」ではないか”