技術の進歩について語った本。面白い。
筆者が述べるように、技術の進歩は自然の摂理に近い。
したがって、『不可避なものを阻止しようとすれば、たいていはしっぺ返しに遭う』
筆者は、すべてが流動化していき、『流れの原動力であるプロセスの方が、そこから生み出される結果より重要』になると説く。つまり、ingが重要になっていく。
そこで、以下の12種類のingに分類して解説する。
ビカミング(なっていく)、コグニファイング(認知化していく)、フローイング(流れていく)、スクリーニング(画面で見ていく)、アクセシング(接続していく)、シェアリング(共有していく)、フィルタリング(選別していく)、リミクシング(リミックスしていく)、インタラクティング(相互作用していく)、トラッキング(追跡していく)、クエスチョニング(質問していく)、ビギニング(始まっていく)
以下、主なポイントを抜粋する。
『2002年のIMFの白書によれば、「コモディティーの価格は過去140年にわたって毎年1%下がる傾向にある」とされる』
このような世界では、モノよりも身体性が貴重となる。つまり、『本は無料だが、身体性を伴う講演は高くなる』ということだ。
さらに、『所有よりも、アクセスできることが重要となる。』
アクセスを保つためには、プラットフォームはシェアされる。
『プラットフォームはそのほとんどすべてのレベルにおいて、シェアすることがデフォルトとなる──たとえ競合が基本にあったとしても』
トラッキングの項目では、ライフログに触れている。これは医療にも応用が予想される。
ライフログを拡張していけば、以下の四つの分野で役立つ
○身体の生体測定値の常時モニター
○あなたが会った人、会話した内容、訪れた場所、参加したイベントのインタラクティブで拡張された記憶
○あなたがこれまでに行なったこと、書いたり言ったりしたことすべての受動的で完璧なアーカイブ
○あなた自身の人生を整理し、形作り、読む手段
一つ一つの項目をじっくり読むことがおすすめの本だ。