【本】16111『ブロックチェーンの衝撃』

投稿者: | 2016-10-15

ブロックチェーンについて表面をなぞるにはいい本だ。

仮想通貨の強みの一つは、国際送金である。
これは多くの人が言っている。
例えば、ソーシャルファイナンスのような、貧困層への金融ビジネスがやりやすくなる、途上国への投資がしやすくなる、などの利点が挙げられる。
一方で、国外への持ち出しもしやすくなってしまうので、途上国のなかには、仮想通貨の使用を禁止している国も多い。ただ、この辺りは普及してしまったら止められない流れとなるだろう。

ブロックチェーンの特徴は、中央集権的な管理主体が存在しないことだ。
センサーから情報を集めて、中央集権的にコントロールするのでは、コストがかかる。
そこで、ブロックチェーンを応用することでシステムの運用コストを下げようとするアイデアが登場している。

もともと、「カネ」という情報のやり取りをしていたものなので、『権利や資産の移転を自動執行できるのはブロックチェーンの十八番』である。

そこで、ヘルスケア分野に応用する動きがある。
『電子健康記録(EHR)、個人健康記録(PHR)への移行が始まっている。EMRは言うなれば地域の医療機関で患者の情報を共有する仕組みで、PHRは生涯のヘルスレコードを患者自身がいつでも参照し閲覧できる仕組みだ。ブロックチェーンは、これらを時代遅れのシステムにする可能性がある。なぜならば、ブロックチェーンは複数の組織で簡単に共有でき、タイムスタンプを含めた取引を電子署名で守ることができるからだ。より具体的には、患者が自身のヘルスレコードを暗号化してブロックチェーンに書き込み、利用期間、回数制限などの条件付けされたトークン(文字列化されたデータ)を医療機関に渡すことで、特定のデータだけを閲覧させることができる。つまり、アクセスコントロールが可能なのだ。これが実現すれば、もはや医療機関が導入しているシステムを信頼する必要がない。つまり、自分のデータを自分で管理できるようになる。管理される時代から、管理する時代になるのだ』
データを一極集中させなくても、あるトークンに対して、様々な医療機関のクラウドデータを連結して抽出できるようにすれば、たしかにデータセンターが不要になる。
フォーマットの一律化とか様々なハードルはあるだろうが、ぜひ実現したい。

さらに良い点が、認証の点だ。
『ビットコインを利用して取引を作成する場合、信託銀行や警察、裁判所といったシステム外の強制力を必要とせずに、当事者同士だけで、確実に履行される契約を取り決めることができるようになる』
相手が○○してくれたときには✕✕円払う、のようなコードをお互いが納得したうえで契約することが可能だからである。

ブロックチェーンの応用が進むだろうが、その基本的な部分について知るにはいいかもしれない。

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