【本】16056 AIの衝撃 人工知能は人類の敵か by 小林雅一

投稿者: | 2016-06-22

AIに関する本はあらかた読んでいます。

本書で知ったのは、フレーム問題とスケーラビリティという用語です。

フレーム問題とは、限られた情報処理能力しかないAIは、現実世界のすべての問題には対応できないという問題です。
たとえば、自動運転では、レーン通りに動くだけではなく、対向車がツッコんできたら、突然人が飛び出してきたら、いつもの道路が工事中だったら、など多くの可能性を考えて動かねばなりません。そのために、トヨタなどはこれまで蓄積された運行データを使っています。いずれは、あらゆる可能性に対応できるようになるでしょうが、そのためにはあらゆる運行場面を入力する必要があるのか、それともAIの進化で補えるようになるのか、それはわかりません。

スケーラビリティとは、『システムに入力されるデータ量にほぼ比例して、その性能がアップする』ことです。従来のパターン認識技術は、データが大量になると性能が頭打ちになりますが、ディープラーニングでは、むしろデータ量が増すと認識精度が上昇します。

“数年間でディープラーニングによって大きく進化する分野は「自然言語処理」”
医療においては、自然言語処理をするまでもなく、生体情報→問診→医師という情報のフローに、生体情報→センサー→人工知能という形が加わることになると思います。後者はより客観的ですので、医学の発展が期待されます。

“ディープラーニングの最大の長所は、「特徴量(特徴ベクトル)」と呼ばれる変数を人間から教わることなく、システム自身が自力で発見する能力にある”
ゲームのルールを教えることができれば、勝つ方法は自分で見つけるというものです。変数の取捨選択を人工知能がすべて行えるようになると、進化は加速しそうです。

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