”たとえば、弦楽器は左手でビブラートをかけて音程をつくり、右手で音色と音量をつくる。弾いている音楽がよろこんでいる音ならば、両腕の動きだけではなく、筋肉そのものがよろこんでいなければならない。”
”指揮を見ていると、その指揮者が何十段もある楽譜のうちの何段を読んでいるかがわかる。”
”楽譜という設計図をもとに、なかなか思い通りにはならないヴァイオリンやフルートの専門家たちを動かして、地道に音を組み立てていく。その作業はむしろ現場監督の仕事に近い。”
指揮者が何を考え、どんな言葉でどういう仕事をしているのかについて、音楽の素人にも分かるように解説してある。専門家である演奏家たちといかに仲良くなってコミュニケーションをとるのが大事であるとか、医師の仕事にも通じるようなところがあって面白い。おすすめです。