著者はテレビでも有名な齋藤孝さんです。
教養は語彙力だと断言し、どのような方法で語彙力を増やせるかを述べています。読書や映画によるインプットと、会話や文章で応用するアウトプットの両建てという方法は一般的です。
筆者の主張で特徴的なのは、素読、つまり音読によるリズムの体得を重視する点です。
幼稚園時代には、詩の素読をやっていました。確かに少しは今でも覚えていますので、効果があるのかもしれません。論語などそらんじていればかっこいいのですが。
筆者が推薦する本は、現代国語の父である夏目漱石や太宰治などの名作に加え、福翁自伝、氷川清話などの自伝、果てはドストエフスキーやシェイクスピアなどの海外名著にまで及びます。
海外作品については、日本語にはないリズムや言い回しが良いそうです。訳本は読みづらいものも多いですが、それは訳者の問題か、原著が原因なのか判別できないのが辛いところ。
過去の名著について興味がそそられる本です。