これは面白い本でした。
規制産業で安定した職業に就いている方にこそ読んで欲しい。
特に、医師とか、研究者とか。
市場化が進行する社会
これまで、情報が限られていた間は、相対取引がメインでした。
しかし、インターネットの影響であらゆる情報が共有されてしまうと、相対取引はできず、市場で判断されることになります。
例えば、就職試験では、変な試験を実施していると、受験者間の情報によって、そのような企業は受験者が減ることにつながります。
昨今のブラック企業の吊し上げも、ネットから情報が広がったことが発端です。
あらゆる分野で市場化が進むことは、止められないでしょう。
市場化される社会で売れるのは、「よい商品」ではなく、「需要に比べて供給が少ない商品」
そのような社会で、筆者が重要視するのは、「価値を理解する」能力です。
「一生懸命ガンバル」前に、どの市場でガンバルべきなのかを選択することが重要。
『重要なのは、ノウハウや知識を覚えることではなく、過去に経験のない場面に遭遇したときにも、自分で判断できる独自の基準や肌感覚を持つこと』
確かにこれが身についていれば、時代がどのように動いていようと、自分の足で自立して生活することができます。
鍛える方法
筆者の主張は以下です。
・自分が何を売っているのか、何を買っているのか、について意識的になること
・人がどのようにして動くのか、深い理解をするよう努めること。
その理解が、市場における需要者・供給者の行動基準を予測する能力につながる。
・「組織」と「市場」の意思決定スタイルの違いを理解し、市場に評価される方法を選ぶ。
具体的には難しいですが、常に市場性の高い場所にい続けることが重要です。
医師の場合は、安穏と暮らしていれば給料がある程度保証されてしまいます。
ここが落とし穴です。
日本の将来を考えると、医療分野にも市場化の波が押し寄せることは必至です。
そこで自分の価値がどこにあるのかを考えられなければ、生き残ることは難しいでしょう。