J Am Med Inform Assoc. 2013 May 1;20(3):404-8. doi: 10.1136/amiajnl-2012-001482. Epub 2013 Mar 6.
Web-scale pharmacovigilance: listening to signals from the crowd.
White RW, Tatonetti NP, Shah NH, Altman RB, Horvitz E.
Microsoftが行った研究です。検索クエリを利用して、薬の副作用の早期発見ができるのではないかというプロジェクトです。
600万人が検索した内容から、8200万の薬、症状に関する検索クエリを抽出して解析しました。
対象としたのは、パロキセチンとプラバスタチンです。
FDAの副作用データベースから、この二剤を併用したときに高血糖が起きやすいことが示唆されたからです。
それを利用して、高血糖を示唆する症状について、「疲れる」「食欲がない」「尿量の増加」のような言葉を抽出しました。
そして、パロキセチンとプラバスタチンを検索した人で、このような言葉を検索する割合がどのように変化するかについて調べました。
その結果、
パロキセチンを検索→2%
プラバスタチンを検索→3%
両方を検索→10%
の割合で、症状の検索が行われていました。
症状の表現のゆらぎの問題もありますが、これは面白い結果です。
薬剤の稀な副作用について調べるためには、現状では医師の報告などに頼らざるを得ません。
しかし、このような方法を用いると、低コストで見つけ出すことが出来ます。
検索クエリから適切なアラートを利用者に返せるようになると、人工知能の生活パートナーとしての役割も上がりますから、このような研究は今後も進みそうです。