【本】『社会的共通資本』宇沢弘文#81

投稿者: | 2016-11-20

医療のコストを誰がどのように負担するかについての社会的基準は”決して官僚的に管理されるものであってはならないし、また市場的基準によって配分されるものであってはならない””医療にかかわる職業的専門家が中心になり、…そのためにはピアーズレビューなどを通じて医療専門家の職業的パフォーマンス、人格的資質などが常にチェックされる”ことが前提となる。
”医療を経済に合わせるのではなく、経済を医療に合わせるのが、社会共通資本としての医療を考えるときの基本的視点である”
”日本の医療制度の矛盾を一言で言ってしまえば、それは医療的最適性と経営的最適性の乖離ということではなかろうか”

医療の問題点について診療報酬の問題など非常に鋭く指摘している。しかし解決策は結局医療専門家の倫理に頼らざるを得ず、現在それは自明のものでない。医療専門家の選考や教育から考慮すべきという点については同意するが、それについての意見は書かれていない。

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