【本】『インターナショナルスクールの世界(入門改訂版)』櫛田賢二#77

投稿者: | 2016-10-03

”多くの「新設」インターの大きな問題点は資金周りの不透明性なので、このような財務レポートは(もちろん捏造も可能だろうが)学費を払っている親や、寄付を考えているOBにとって安心の材料となる。”

”学校で何年にもわたってプレゼンを行っていくと、苦手なものでも上手になってくる。数え切れない数のディスカッションで意見や感想を述べてきたインターの生徒たちは、大学のゼミ以外はほとんど講義形式の授業しか受けてこなかった日本人生徒に比べて意見の述べ合いが上手になるのは当たり前である。 ”

”新設インターの大半では、外国人教師はほぼ全員「渡り鳥」型なのである。例えば、現在最も長く勤めている先生でも、三、四年目だったりするのだ。”

”現在、資金運用力で定評がある老舗インターでは、学費は学校運営費の六、七割ほどしか占めていない。企業やOBからの寄付金で、残りの運営費や設備投資、資産を充実させているのだ。”

”日本政府も信頼を置いているWASCやACSI、最近日本で話題の国際バカロレア(IB)でさえ、実は認定の基準がかなり甘い” ”ACSIは宗教的な色が濃く、基本的に進化の過程を科学とは認めていない。”

”プリスクールや新設インターの中には、卒業後に名門の老舗インターへの転入を謳って生徒獲得を行っているところがある。あたかも老舗インターに、ほぼ自動的に進学できるようなことを親に告げるケースが後を絶たない。しかし、実際に老舗インターとは何ら関係ないところがほとんど”

”プリスクールについては、実は九五%の子供が地元の公立小学校へ進学しているのに、あたかもどこかのインターと太いパイプがあるかのごとく宣伝しているところもあるので、この情報が重要である。  大学進学については、ほとんどの老舗インターがしているように、ウェブサイトにここ数年の卒業生の入学先大学の掲載を求めるべきである。”

”この親たちが「インター」と理解しているところは、実は、老舗インターの校舎を夜や週末だけ借りた英会話塾なのである。こういう英会話塾の運営はインター本体からは完全に独立しており、運営者や先生は全員、老舗インターの人たちとは異なる人たちなのだ。教師としての経験も浅く(あるいはなく)、時給制”

インターナショナルスクールとは何か基本知識を授けてくれる良書。老舗と新設の違い、インターの顔をした英会話スクールやプレスクールなど、勉強になる。興味がある人にはおすすめ。

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