”わたし自身、編集者としては極めて凡庸な才能だと思いますが、ただ、もし適性があったとすれば、自分自身がもっともいきいきと力を発揮できるサイズ感、しあわせでたのしい規模感を想定して、それをやり遂げるというところにあったのではないかなと思います。”
”わたしは、マーマーマガジンをつくることで、ふつうの編集者から、幸福な編集者になっていきました。”
”とにかくオリンピックを目覚すアスリートのような気持ちで心身を整えました。そうして、自分自身を立ち上げていったのです。結果、それらは、意図していたわけではありませんが、実際のコンテンツになり、編集する本の企画になり、また、のちに自分自身が著者となって本を書くことにもなりました。”
”仕事ってどこか、自分がやっているようで自分がやっていないような……自分はある意味「管」なのであって、天から降り注ぐさまざまなアイデアをひろうだけ、と思っているんです。だから、すぐれたもの、「本物」をつくろうと思えば思うほど、「管」としての自分を磨くしかない。”
なんともゆるい雰囲気の仕事論かと思いきや、ゆるいのは語り口で実際は結構ストイックです。雑誌の編集者として独立していった経緯のドタバタ具合が面白い。ロハスな感じの雑誌の内容とリンクした著者の考え方は、あまりにオーガニック系すぎて医療者としてはちょっとついていけない部分もありましたが、これぞ新しい時代の考え方とも思います。