刺激的な題名に誘われて。
著者は中国在住の作家。中国で生活する上で感じたことを随筆調でまとめている。
題名にすべて凝縮されている。
国の崩壊を何度も経験してきた中国人は、徹底的に現実主義。
国がなくなるとは、ハイパーインフレや政情不安が起きるということ。
したがって、中国人は現金を信用しない。
中国人が金好きなのは、もしものときには売ることができるから。
従って、日本で一般的な18金ではなくすぐに換金可能な24金がよく売れる。
さらに、働き方についても面白い。
“公務員であろうが、会社員であろうが、90%以上が別の仕事を持っている。”
“収入を一つにしぼらないというのは、不安定な社会を生きる中国人の基本的なリスクヘッジ”だと。
したがって、日本のような「社畜」は中国には存在しない。
会社を通じて自らのスキルアップを図るだけで、会社がブラック企業であればさっさと退職して別の企業に移る。
中国には「給料以上に働く者が多い」という記述には身がつまる思いだ。
中国の企業では、8~9割が給料以上に働く。
年功序列でもないし、むしろ”高齢者=文革で基本的な教育を受けておらず仕事ができない”というレッテルすらある。
中国が崩壊するという意見はよくあるが、合理的な中国人であればどこでも復活するだろう。
中国人は日本人に比べると、優秀な人の割合は低いが、優秀な人の数は圧倒的に多い。この事実から目をそむけてはいけない。