【本】『杉原千畝 情報にかけた外交官』白石仁章

投稿者: | 2015-12-10

“インテリジェンス・オフィサーとしての生きがいとは何か。それは、重要情報を入手し、それが正しく理解され、活用されることにあると言って過言ではあるまい。「誰もしなかったことをしたのに…こんなに働いているのに」の後に続く言葉は、「なぜ私が危険を冒して入手した情報が的確に活用されていないのか」という嘆きではなかったか、そう思えてならない。”

映画化された杉原千畝の人生。ヒューマニストという面だけではない、外交官としての彼の才能が詳細な情報から浮かび上がってくる。信頼ということがどれほど大事なことか伝わってきた。

一瞬だけ開いた「命の扉」の話は心に響いた。ヴィリニュス(リトアニアの首都、当時ポーランド領)が、ポーランドを占領したソ連からリトアニアに返還されるまでのわずかな期間のことだ。返還前にヴィリニュスにたどり着いたユダヤ人は、ポーランドからリトアニアに脱出することができた。当時、「ナチスの手」ではなくソ連からユダヤ人を救ったのだというのは重要な事実だと思う。

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