【本】17115『昆虫の交尾は、味わい深い…。』上村佳孝

投稿者: | 2017-09-22

発売されたばかりではあるが、本書はとてもタイムリーな本となった。
というのも本書が発売された直後に、筆者が2017年のイグノーベル賞を受賞したからだ。

受賞のキッカケとなったトリカヘチャタテについてももちろん記載してある。とはいえ、その部分は本当に最後の一部分だけ。
ほかは、筆者の昆虫愛に溢れた記載ばかり。

生殖戦略は、基本的にはオスとメスのせめぎ合いで、行き着くところは昆虫も哺乳類も、果てはヒトさえも一緒なのが面白い。

トリカヘチャタテの例では、交尾に投資が必要なオスは、頻回の交尾をしなく(できなく)なるという事情が根底にある。
トリカヘチャタテは交尾の際に、栄養たっぷりのタンパク質をメスに渡す。その結果、メスが逆に取りにいくように進化した。
ヒトで言うと、持っている資源をすべてメスに吸い取られたオスは浮気する余裕がなくなってしまう、という状態に近いのかもしれない。

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