2016/9/30 福島民報
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相馬市の相馬中央病院の森田知宏医師ら研究グループは二十九日までに、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後の相馬地方広域消防本部の救急搬送時間に関する研究成果を発表した。病院閉鎖などにより、震災後の三カ月程度は救急搬送時間が延びたとしている。
同本部(新地町、相馬市、南相馬市、飯舘村)の救急搬送システムに与えた影響について、救急搬送時間(救急要請から救急車両が病院に到着するまでの時間)に着目。平成十八年一月から二十三年十二月末までの搬送患者について震災前後で比較した。
震災前の搬送時間は三十分程度だったのに対し、震災後一週目から十一週目にかけては三十分から五十分程度に延びた。病院閉鎖により、救急現場から病院までの搬送距離が遅れたことが要因とみている。その後は震災前と同水準。
一方、救急隊が現場に到着し、出発するまでの時間の変化は小さく、救急隊の活動は震災前と同様レベルを維持していたと分析している。