HBSとタイトルにでかでかと書いてあるので、HBSでの勉強内容について書いてあるのかと思いきや、完全に投資の本だった。
とはいえ、ハーバードの研究者たちが明らかにした、投資に関するエビデンスが紹介されており面白い。
まあ、バフェットも言うとおり、プロ投資家でない限り、このエビデンスに沿ったパッシブ運用が最も無難だろう。
しかし常に平均を上回ろうとするのが人間の性で、クオンツトレーダーと呼ばれる投資家たちは日々新たな指標の開発に勤しむ。
本書でも指摘されているが、結局は情報を制する者が投資を制する、ということは古今変わらない真理であり、だからこそ企業と政治家のスキャンダルも永遠になくならないだろう。
AIが進化したら、インサイダー疑いの取引は自動ブロックされて、公開情報に基づく取引しか許可されない…という可能性も考えられるが、そのような「歪みのない」マーケットは誰にとっても旨味がないため、その方向への進化は起きないだろう。
歪みと言えば、政府主導でマーケットを歪め続ける代表国が日本と中国だ。
後者は意図的だが、前者は危機感すらない可能性すらある。
いと恐ろしや。
「何に」投資するか、については、一言で言うと「情報を制する者が投資を制する」ということです。情報は、取り方と解読法で差をつける。それが目利き力に繫がる。
「どのように」投資するか、については、一言で言うと「自分を制する者が投資を制する」ということです。
「誰が」投資するか、については、一言で言うと「インセンティブを理解する者が投資を制する」ということです。誰がどのようなインセンティブを持って投資しているかを事前に把握しておくことで差をつける。
英語では、社会的に地位が高い人でも、親しみのある人のことを「Down to earth(地に足が着いている)」とよく言います
・目利き力は稀であること。 ・それは、研究でもある程度わかっていること。 ・それでも、目利き力を求める投資家は後を絶たないこと。
有名な大企業の株式(大型株)に投資するよりも、あまり聞いたことがない小規模の企業の株式(小型株:時価総額が相対的に小さい上場株)に投資する方が、長期的にはパフォーマンスが良いという結果が出ています。
バリュー株とグロース株、どちらがパフォーマンスが良いのでしょうか。 答えは、バリュー株です。長期的には、PBRが低い株の方が、PBRが高い株よりもパフォーマンスが良いことがわかっています。
まで「小型株効果」「バリュー株効果」「モメンタム効果」という3つの目利き力の源泉
全く新しくない情報が、主要メディアによって大々的に取り上げられることにより、株価を大きく動かすことがある、ということです。これも、人間の非合理性に関係してきます。
脳が「近道」をすることをあらかじめ認識しておかないと、重要な判断についても、脳が無意識に「近道」をしてしまう可能性がある
アンカリングとは、一番最初に提示された数字や証拠に過度な重要性を与えてしまい、その後その前提から大きく離れられなくなる、という認知バイアス
・人間は、発生確率が非常に低いが、発生すると大きな影響を与える事象について、その発生確率や影響を過小評価する傾向にある。
安い方を買って(ロング)、高い方を売って(ショート)
A 市場の間違いを特定する 投資戦略を構築する際には、まずは「市場の間違い」を特定します。つまり、「なぜ、現状の市場は間違っているのか、そして、その間違いはどうすれば正されるのか」という問いに、自分なりの仮説を持って答える必要があるということです。
B カタリストを特定する 市場の間違いを特定し、自分なりの仮説を立てる際に重要なポイントとなるのは、この市場の間違いは何をきっかけに解消されるか、という点です。投資家として、いくら自分が「合理的」で正しいとしても、市場が「非合理」のままであり続ければ、下手をすると含み損を抱え続け、永遠に利益を実現できない可能性があります。ですから、事前に「きっかけ」を特定しておく必要があるのです。このきっかけを「カタリスト」と呼びます。
C 取引方法を特定する 市場の間違いを特定し、自分なりの仮説を立て、カタリストも特定したら、次は投資戦略の取引方法を特定します。せっかくのアイディアも、取引する方法が市場になければ、実行に移すことができません。
取引動機を経済合理性以外に見出す売り手のことを「ノン・エコノミック・セラー」、同じく買い手のことを「ノン・エコノミック・バイヤー」と呼びます。 ノン・エコノミック・セラーは、経済合理性には乏しいかもしれませんが、決して非合理ではありません。経済的観点以外の合理性の基準から、取引を実行しているからです。
ノン・エコノミック・セラーが質の高いものを叩き売るときに、反対サイドで買いに行ければ、貴重な収益機会になります。
森林への投資の固有のリスクへの対価です。そのため、森林のリターンの源泉は、投資の流動性が乏しいことに起因する流動性プレミアムと、自然災害等の森林投資固有のリスクプレミアムの合算となります。つまり、森林への投資は、株式市場との相関が弱く、かつリターンの比較的高い貴重な投資先
「10年間売らずに持つ気がない銘柄は、10分でも持つべきではない」