【本】17002『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』野澤千絵

投稿者: | 2017-01-15

高齢化社会、人口減少社会であるにもかかわらず、日本ではタワーマンションなど新築住宅の造成は進んでいます。
今後、中古住宅の市場開拓へ向けて、政府の支援も出てくるでしょう。
しかし、都市化への人口集中は今後止まらない流れと考えているので、地方の住宅市場は厳しいものとなると予測します。

日本の世帯総数は約5245万世帯ですが、現在、国内にすでに建っている住宅は約6063万戸です(2013年度)。つまり、世帯総数に対して、住宅のストック数(住宅総数)は16%も多く、数の上では、住宅の量はすでに十分足りている状況にあるのです

日本はここ20年間、イギリス・アメリカ・フランスの中で常にトップレベルです。2014年の新築住宅着工戸数は、イギリスの2・8倍、アメリカの2・3倍、フランスの1・3倍であり、欧米に比べて新築住宅を大量につくり続けている国

、新築住宅が、居住地としての基盤(道路や小学校・公園など)が十分に整っていないような区域でも、いまだに野放図につくり続けられ、居住地の拡大が止まらない

住宅過剰社会からの脱却に向けて、私たちは、空き家を減らす、中古住宅の流通を促進する、市場に依存しすぎた新築住宅中心の市場から転換することが必要不可欠です。

2023年には5戸に1戸が空き家に、2033年にはなんと3戸に1戸が空き家になる

「賃貸空き家」「売却用空き家」「二次的住宅」「その他空き家」という4つの類型

今後、空き家は、売りたくても買い手がつかないといった事情から、相続人が賃貸住宅にまわすケースが急増するものと予想されます。そのため、近い将来、30年もの住宅ローンを組んで新築住宅を購入しなくても、ファミリー層が住める質が高くて安い賃貸住宅市場が創出される可能性があります。

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