現在の株式取引は、高速取引が占める割合が大きいと言われている。
人工知能、というかアルゴリズムでニュースなどを分析し、その結果で1秒間に何回もの取引が行われている。
その結果、少しのニュースで極端に価格が乱高下する、いわゆるボラティリティの高い市場を形成している。
本書は、そんな市場ができるきっかけとなった、株式取引にアルゴリズムを導入することが始まった時代の話だ。
株式取引の閉鎖性をオープンにしようとしたプログラマー、大口取引のサインを見つけて絶対に負けない方法を実行しようとするヘッジファンドなど、有象無象が群がり、金融市場が発展した様子が、細かく描かれている。
数学やプログラムの天才たちが、どんどん金融部門に入ってくることで、取引スタイルが大きく変わり、マーケットもそれに対応した。これは時代の必然だっただろう。
そんな天才たちが、医療分野に入ってくるとどうなるだろうか。
医療者が設けた参入障壁なんて、軽く吹き飛ぶくらいのインパクトはあるのではないか。
結果的に、利用者(患者)に利益があれば、いいことには違いない。