”僕が本を読んでいておもしろいなあ、この瞬間だなあと思うのは、普段からなんとなく感じている細かい感覚や自分の中で曖昧模糊としていた感情を、文章で的確に表現された時です。”
“正解、不正解だけではなく、どうしようもない状況というのが存在するのを知ってほしい。世界は白と黒の二色ではなくグラデーションです。二択ではありません。二次元ですらありません。それを表現するために言葉があり、文学があります。”
タイトルに惹かれて購入。少年時代からの文学少年ぷりと、太宰治への愛が惜しみなく披露されている。文学の面白さが感覚の確認(共感)と感覚の発見にあると述べている。小説ならまだしも、近代文学作品が自分の微妙な感情を言語化してくれているなんて、そんな風に感じたことがなかったので新鮮だった。小説ももうちょっと読んでみようかなという気にさせられる。裏表紙も必見です。