高齢化のなかで、70歳定年がほぼ確定的となっている。
そのなかで、20歳くらいに就いた仕事を70歳まで行うことが楽しいだろうか。
“私が提案したいのは、最初から「職業人生は二回ある」という発想をすることです。「みんな、一生の間にふたつの異なる働き方を選べるものだと考えようよ!」という勧め”
筆者の提案はこうだ。
40歳頃からは自分のやりたいことを仕事にすることを目標にしてもいいのではないか。
そのためには、
“「頼りになる家族が(地球上のどこかに)いる」というストック型の人的ネットワークではなく、高齢になってからでも近隣や趣味の仲間、もしくはネット上で知り合った人たちと新たな関係性を作っていくというフローの人的ネットワークの形成能力”が重要だ。
“過去に築いた人的資産の質と量ではなく、何歳になっても新たな人的関係を構築していく能力が問われる時代となる”
筆者の言うとおり、一つの職業に拘泥する必要はない。
若いうちに培ったスキルをもって、自己実現のために仕事をする、というのが理想的な人生ではないだろうか。
学生や新入職の方にはおすすめの本。
面白いと思ったのは、高齢者コミュニティの話。
高齢者同士で普段は別々に暮らしているが、昼食は一緒の場所で食べる。これによってコミュニティが生まれて他者とのつながりが生まれるということが載っている。
これはまさしく相馬で行われている「井戸端長屋」の話と一緒である。
ここからが面白い。
“それぞれが自分の財産の相続人として、その仲間を指定するのです。10人のうち誰が死んでも、その人の財産は残りの9人が分割して相続する”
“いわば「長生きリスクを、同世代の中で経済的に担保する、私的でこぢんまりした保険制度」”
死んだ後の財産を、次の世代に相続するというよりは、同じ年齢層間での担保として使うという方法は独創的だ。
ドラスティックな考えだが、うまく調整すればハマるだろう。