【本】16010 「中国共産党」論 習近平の野望と民主化のシナリオ by 天児慧

投稿者: | 2016-01-20

まとめ買いした中国の本もひとまずこれで終了。
目新しい本もなくなってきた。

「圏子」という中国の派閥について書いている。
“中国の政治指導部における「派閥」「圏子」について具体的に見てきたが、このことによって明らかになってきたのは、政治を動かす人々のネットワークは決して制度的、あるいは組織的といったような、ある種の枠組みの中でつくられたものではなく、基本的には中核的な指導者が独自の人生体験の中である種の基準・判断によってつくってきた個人的なネットワークによるもの”
習近平の特徴の一つ。胡錦濤vs江沢民の漁夫の利を得ているため、両方の派閥の中に協力者がいる。

“「紅二代」人脈だけでなく、地方での長い活動歴から「地方幹部」との結びつきや、軍エリート、共青団派、企業エリートらとの幅広い良好な関係”
紅二代との結びつきについては、過去の本と同様に書いてある。
ほかに、青年期に文革によって「下放」されて地方で苦しい思いをしているため、その時期の仲間とは信頼関係が厚い。

逆に、習近平には後ろ盾になる組織がいない。
権力の集中化を進めているが、今後政権の勢いが弱まったときにどうなるかはわからない。
いずれにしても、この10年くらいは西洋的な民主化という流れが来るとは思えない。

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