囲碁でAIが人に勝つ時代が、意外と早く実現しました。
http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/abs/nature16961.html?lang=en
棋譜は以下に記載されています。
http://www.kihuu.net/index.php?type=3&key=alpha
中国ルールなのでダメはありません。コミは7目半。
モンテカルロ計算がAIの棋力を飛躍的に上昇させたのが少し前のブレイクスルーですが、ディープラーニングによってさらに棋力が上昇しました。
棋譜を見ると、3000万局の棋譜から学んだとあって、手筋は良い。中国のプロ2段に勝ったのですから、日本のプロ5段くらいのレベルはありそうです。3月にはイ・セドルとの対戦が待っています。こちらは、韓国全盛時代をイ・チャンホから引き継いだ超一流です。彼から一勝でも挙げられれば大金星です。
囲碁分野以外の応用について、現状の限界は「変数を人間が決めている点」、「目標がはっきりしないと自己学習がしづらい点」でしょうか。
「変数は少ないが、自由度が高く、かつ目標がはっきりしているもの」に関しては、発展が期待できます。
たとえば、売れる小説の判定などでしょうか。売れる音楽の判定はすでにできるようですが。
実際に文章を作るのは、outcome判定に時間がかかるのが難点です。手始めに、「おーいお茶」の俳句コーナーハックから始めて欲しい。
医療について、この種のAIがすぐに応用できる分野はぱっと思いつきません。診断学は、症状から疾患、治療への行列計算なので、枝分かれで先をよむAIまで使う必要がない。
強いて言うなら、効率的な手術術式の開発、患者さんに最も”適した”治療戦略の組み立てなどに使えるかもしれません。