A Placebo-Controlled Trial of the Oral PCSK9 Inhibitor Enlicitide
- Known:
PCSK9阻害薬は強力なLDLコレステロール(LDL-C)低下作用を有するが、これまでは注射剤のみが承認されていた。治療の利便性向上のため、効果的かつ安全な経口PCSK9阻害薬の開発が待たれていた。 - New: 2909名の心血管疾患患者または高リスク者を対象とした第3相試験(CORALreef
Lipids)において、経口PCSK9阻害薬Enlicitide(20mg/日)は、プラセボと比較して24週時点のLDL-Cを有意に低下させた(調整間差:-55.8% [95% CI, -60.9
to -50.7]; P<0.001)。この低下効果は52週まで維持され、忍容性も良好であった。< /li> - Future:
注射薬に匹敵する効果を示す経口PCSK9阻害薬の登場により、脂質管理の選択肢が大幅に広がる。今後、心血管イベント抑制効果を直接検証する大規模試験の結果が注目される。
出典: N Engl J Med 2026; 394: 529-539
Beta-Blockers after Myocardial Infarction with Normal Ejection Fraction
- Known:
心不全や心機能低下を伴う心筋梗塞後のβ遮断薬の有用性は確立されているが、左室駆出率(LVEF)が保持された(50%以上)患者における長期継続のメリットについては、近年の血行再建術の進歩もあり、疑問が呈されていた。 - New:
5つのRCTから17,801名の個別患者データを統合したメタ解析の結果、LVEFが保持された心筋梗塞後患者において、β遮断薬の投与は全死亡・心筋梗塞・心不全による入院の複合エンドポイントを減少させなかった(ハザード比
0.97 [95% CI, 0.87-1.07]; P=0.54)。各単独アウトカムについても有意差は認められなかった。 - Future:
LVEFが正常な心筋梗塞後患者において、他に適応がない限り、全例に対するルーチンの長期β遮断薬投与は見直されるべき時期に来ている。個別の臨床背景に基づいた選択的な投与への移行が推奨される。
出典: N Engl J Med 2026; 394: 540-550
Trastuzumab Deruxtecan plus Pertuzumab for HER2-Positive Metastatic Breast Cancer
- Known: HER2陽性転移性乳がんの一次治療はタキサン+トラスツズマブ+ペルツズマブ(THP)が標準だが、抗体薬物複合体(ADC)であるトラスツズマブ
デルクステカン(T-DXd)の高い奏効率を背景に、一次治療への導入が期待されていた。 - New:
第3相試験(DESTINY-Breast09)の中間解析において、T-DXd+ペルツズマブ群は標準治療(THP)と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長した(中央値 40.7ヶ月 vs
26.9ヶ月、ハザード比 0.56 [95% CI, 0.44-0.71]; P<0.00001)。薬剤に関連した間質性肺疾患(ILD)の発現率は12.1%であった。< /li> - Future:
T-DXdベースの治療がHER2陽性転移乳がんの新たな一次治療の選択肢となる。一方で、ILDの適切な管理が、この強力な治療を安全に継続するための鍵となる。
出典: N Engl J Med 2026; 394: 551-562
Improved Survival with Enzalutamide in Biochemically Recurrent Prostate Cancer
- Known:
第3相EMBARK試験の初期報告では、高リスク生化学的再発前立腺がんに対するエンザルタミド+リュープロレリン併用療法が、転移フリー生存期間(MFS)を有意に改善することが示されていたが、全生存期間(OS)への寄与は未確定であった。 - New: OSの最終解析の結果、エンザルタミド+リュープロレリン併用群は、リュープロレリン単独群と比較して死亡リスクを40%減少させた(8年OS率 78.9% vs
69.5%、ハザード比 0.60 [95% CI, 0.44-0.80]; P<0.001)。一方、エンザルタミド単独療法群では、リュープロレリン群に対するOSの優越性は示されなかった。< /li> - Future:
高リスク生化学的再発前立腺がんにおいて、エンザルタミド併用による強力なアンドロゲン遮断療法が予後を改善することが明確になった。QOLと予後改善のバランスを考慮した標準治療としての定着が期待される。
出典: N Engl J Med 2026; 394: 563-575

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