Metformin to Improve Walking Performance in Lower Extremity Peripheral Artery Disease: The PERMET Randomized
Clinical Trial
- Known:
下肢末梢動脈疾患(PAD)は歩行能力を著しく低下させるが、有効な治療選択肢は限られている。メトホルミンは、AMPキナーゼの活性化や抗酸化ストレス、内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)の刺激など多面的な効果を有し、糖尿病以外のPAD患者においても歩行能力を改善する可能性が示唆されていた。 - New:
非糖尿病のPAD患者202名を対象とした多施設共同RCT(PERMET試験)において、6ヶ月間のメトホルミン投与は、プラセボと比較して6分間歩行距離を有意に改善しなかった(メトホルミン群:-5.4
m、プラセボ群:-5.3 m、調整間差:1.1 m [95% CI, -16.3 to 18.6 m]; P=0.90)。トレッドミル歩行時間などの二次評価項目においても有意な改善は見られなかった。 - Future:
本研究の結果は、非糖尿病のPAD患者の歩行能力改善を目的としたメトホルミン使用を支持しない。PADにおける機能不全のメカニズムは複雑であり、代謝改善以外の新たな治療戦略が必要である。
出典: JAMA 2026; 335(5): 407-415
Age-Adjusted D-Dimer Cutoff Levels to Rule Out Deep Vein Thrombosis
- Known: 年齢調整Dダイマー基準(50歳以上で年齢×10
µg/L)は、肺塞栓症の除外診断において有用性が確認されているが、深部静脈血栓症(DVT)における臨床的妥当性についてはプロスペクティブな大規模検証が不足していた。 - New:
3205名の救急外来受診者を対象とした国際共同プロスペクティブ試験の結果、年齢調整基準を用いることでDVTを安全に除外できることが示された。従来の基準(500
µg/L)と年齢調整基準の間に位置した患者群において、3ヶ月間の追跡中に静脈血栓塞栓症を発症した例は認められなかった(0% [95% CI,
0%-2.3%])。この基準の導入により、診断除外可能な患者割合が絶対値で7.4%増加した。 - Future:
DVT疑い患者に対し、従来の固定基準ではなく年齢調整Dダイマーを用いることで、安全性(偽陰性の低さ)を維持しつつ、不要な超音波検査を削減できる。今後は日常診療ガイドラインへの反映が期待される。
出典: JAMA 2026; 335(5): 416-424
Prediction of Bacteremia and Bacterial Meningitis Among Febrile Infants Aged 28 Days or Younger
- Known:
生後1ヶ月以内の発熱は重症細菌感染症(SBI)の唯一の徴候であることが多く、ガイドラインでは全例に対する腰椎穿刺が推奨されることもある。侵襲的検査を絞り込むための臨床予測ルールの確立が求められていた。 - New:
1537名の生後28日以下の発熱乳児を対象とした検証において、尿検査・プロカルシトニン・好中球絶対数(ANC)を用いた更新版PECARNルールは、菌血症および細菌性髄膜炎に対し非常に高い感度(94.2%)と陰性的中率(99.4%)を示した。低リスクと判定された乳児において細菌性髄膜炎の見落としはなかった。一方で特異度は41.6%と限定的であった。 - Future: PECARNルールにより低リスクと判定された乳児に対しては、ルーチンの腰椎穿刺を回避する等の意思決定共有(Shared
decision-making)が可能となるが、ルールの限界(特異度)を理解した慎重な運用が求められる。
出典: JAMA 2026; 335(5): 425-433
WHO Obesity Guideline and Research Highlights
- WHO肥満ガイドライン:
成人肥満症に対するGLP-1受容体作動薬の長期使用を「条件付き」で推奨。肥満を「慢性・再発性の疾患」と改めて定義し、薬物療法を強力な行動療法と組み合わせることの重要性を強調している。コストや医療体制の未整備が世界的な普及の障壁として指摘されている。 - 思春期のスマートフォン使用:
ABCD研究のパッシブセンシングによるデータから、米国の学校内でのスマートフォンアプリ利用の実態を報告。学校側のポリシーにもかかわらず、学習に直接関係しないアプリの使用が常態化している可能性を示唆している。 - 妊婦へのRSVpreFワクチン安全性:
妊娠中のRSVワクチン(Abrysvo)接種に関する中間報告。乳児への受動免疫効果は高いものの、臨床試験で見られた早産や妊娠高血圧症候群のわずかな増加については、引き続き厳重なモニタリングが必要であるとしている。
出典: JAMA 2026; 335(5)

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