今週のLancet ( Jan 31)

 

Low-dose yellow fever vaccination in infants: a randomised, double-blind, non-inferiority trial

要約

  • これまでわかっていたこと: 黄熱ワクチンの世界的な不足に対応するため、WHOはアウトブレイク時の分割用量接種を推奨している。成人では標準量の1/5程度(500
    IU)でも非劣性が示されているが、乳幼児における有効用量は不明であった。
  • 今回の論文でわかったこと: ケニアとウガンダの乳幼児(9-12ヶ月)を対象とした試験において、500
    IU投与群のセロコンバージョン率は93%であり、標準用量群(99%)に対する非劣性が示されなかった(差の95%CI下限が-10%を超えた)。
  • 今後の課題:
    成人で有効な最小用量をそのまま乳幼児に適用することはできない。乳幼児に対する定期接種プログラム(EPI)では、引き続き標準用量のワクチンを使用すべきであることが浮き彫りになった。

Interval cancer, sensitivity, and specificity comparing AI-supported mammography screening with standard double
reading without AI in the MASAI study

要約

  • これまでわかっていたこと:
    AIはマンモグラフィの癌検出率を向上させ、読影の負担を軽減させる可能性があるが、中間期癌(検診で検出されず次回検診までに診断される癌)の発生率に与える影響は不明であった。
  • 今回の論文でわかったこと:
    スウェーデンのMASAI試験において、AI支援検診は標準的な二重読影と比較して、中間期癌発生率において非劣性を示した。また、AI支援群は感度が有意に高く(80.5% vs
    73.8%)、特異度は同等(98.5%)であり、読影負担も大幅に軽減された。
  • 今後の課題:
    AI支援検診は、安全性(中間期癌の見逃し)を損なうことなく検診のパフォーマンスを向上させる実用的な手段であることが示された。実臨床への導入が強力に支持される結果となった。

Prediction of mortality, bleeding, and ischaemic events in patients with cancer and acute coronary syndrome: a
model development and validation study

要約

  • これまでわかっていたこと:
    がんを合併した急性冠症候群(ACS)患者は、死亡、出血、虚血イベントのリスクがいずれも高い特異なプロファイルを持つ。しかし、これらの競合するリスクを総合的に予測するための標準化されたツールは存在しなかった。
  • 今回の論文でわかったこと:
    約100万人のデータを用いた機械学習モデル「ONCO-ACSスコア」が開発・検証された。腫瘍の種類、診断からの期間、転移の有無などを含む変数により、死亡(AUC 0.84)、出血(AUC
    0.70)、虚血(AUC 0.79)を良好に予測可能であった。
  • 今後の課題:
    虚血と出血のバランスが難しいがん合併ACS患者において、個別化された治療戦略(侵襲的処置や抗血小板療法の期間など)を決定するための実用的なガイドとして期待される。

 


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