Reliability of urological telesurgery compared with local surgery: multicentre randomised controlled trial
- Known:
ロボット支援手術は通常、執刀医が患者と同じ手術室、あるいは少なくとも同じ病院内にいる状態で行われる。遠隔手術(Telesurgery)は長年期待されてきたが、通信遅延などの技術的課題や安全性の懸念から、大規模な検証が不足していた。 - New:
中国の多施設で行われたRCT(72名)において、1000〜2800km離れた場所からの遠隔手術は、局所手術に対して非劣性であることが示された。5Gや専用回線の活用により、通信遅延(Latency)は20.1〜47.5msと極めて低く抑えられ、手術成功率や合併症、回復までの期間に有意差は認められなかった。 - Future:
この技術の実用化により、専門医が不在の遠隔地や医療過疎地の患者に対しても、高度な外科的治療を提供できる可能性がある。地理的な制約を超えた医療の民主化に向けた大きな一歩となる。
出典: BMJ 2025; 392: bmj-2024-083588
Time trends in the male to female ratio for autism incidence: population based, prospectively collected,
birth cohort study
- Known:
自閉スペクトラム症(ASD)は歴史的に男性に多いとされ、男女比は約4:1と長年報告されてきた。このため、女性における診断の見逃しや遅れが課題となっていた。 - New:
スウェーデンの270万人の出生コホートを35年間にわたって追跡した調査によると、ASDの累積発生率における男女比は劇的に縮小していることが判明した。2022年時点での20歳までの累積発生率の比は1.2まで低下しており、2024年までにはほぼ1:1(パリティ)に達すると予測されている。 - Future:
この変化は、女性における診断精度の向上や社会的認識の変化を反映している可能性がある。今後は「自閉症は男性の疾患」というバイアスを排除し、早期かつ平等な診断・支援を可能にする体制構築が求められる。
出典: BMJ 2025; 392: bmj-2025-084164
Testing menstrual blood for human papillomavirus during cervical cancer screening in China: cross sectional
population based study
- Known: 子宮頸がんスクリーニングには通常、医師による頸部擦過検体や自己採取による腟検体が必要だが、侵襲性や心理的ハードルが受診率向上の妨げとなっている。
- New:
中国の女性3,068名を対象とした研究において、専用のミニパッドを用いて採取した「経血」によるHPV検査は、医師採取の検体と同等の診断精度を有することが示された。CIN2+の検出感度は、経血検体で94.7%(医師採取は92.1%)であり、陰性的中率も一致していた。 - Future:
非侵襲的な経血による自己採取法は、スクリーニングの心理的・物理的障壁を大幅に下げ、世界的な子宮頸がん予防プログラムの参加率向上に寄与することが期待される。
出典: BMJ 2025; 392: bmj-2025-084831
Clinical News & Trends
- 米国の新食事ガイドラインへの異議:
新しい米国の食事ガイドラインにおいて、タンパク質、乳製品、健康的な脂肪に関する推奨が、純粋な栄養科学よりも政治的・産業的な利益に左右されているとの批判が報じられた。加工食品の制限などは評価されているが、一部の指針には疑問が残るとしている。 - GLP-1受容体作動薬と膵炎リスクの警告:
英国の規制当局(MHRA)は、オゼンピックやウゴービなどのGLP-1受容体作動薬について、膵炎による死亡例(19名)を含む報告を受け、新たな安全警告を発した。極めて稀ではあるが、致命的になり得る副作用としての認識が必要である。 - 英国における「断酒」トレンドの定着:
2024年のイングランド健康調査によると、成人の24%が「お酒を飲まない」と回答。これは一時的な流行ではなく、年間を通じた持続的な傾向となっており、公衆衛生上の大きな行動変化を示している。
出典: BMJ 2025; 392

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