Surgical fixation versus non-surgical care for children with a displaced medial epicondyle fracture of the
elbow (the SCIENCE study): a multicentre, randomised controlled trial
- Known:
小児(7〜15歳)の肘関節における上腕骨内側上顆骨折は、多くの症例で外科的固定術が行われているが、その有用性についてはエビデンスが乏しく、議論が続いていた。多くの外科医は術後の機能回復や安定性を期待して手術を選択する傾向があった。 - New:
約300名の小児を対象とした大規模な無作為化比較試験(SCIENCE試験)の結果、12ヶ月時点での上肢機能(PROMISスコア)において、手術群と保存療法群(ギプス固定等)の間に臨床的に意味のある差は認められなかった(平均差
1.57 [95% CI -0.01 to 3.14])。手術群では回避可能な術中・術後合併症のリスクがあり(9%)、医療コストも大幅に高かった。 - Future:
本結果は、小児の内側上顆骨折に対して保存療法をデフォルト(標準)の管理戦略として採用すべきであることを強力に示唆している。不必要な手術リスクと医療費負担を軽減するため、本エビデンスを臨床現場の意思決定に反映させることが求められる。
出典: Lancet 2026; 407: 577-586
TRPC6 inhibition for the treatment of focal segmental glomerulosclerosis: a randomised, placebo-controlled,
phase 2 trial of BI 764198
- Known:
巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)において、TRPC6(一過性受容体電位カチオンチャネル)の過剰活性化はポドサイト(足細胞)の欠損と腎機能低下に関与しているとされる。しかし、ポドサイトを直接標的とした治療薬はこれまで存在しなかった。 - New: 新規の選択的TRPC6阻害薬「BI
764198」を用いたフェーズ2試験において、12週間の投与により尿タンパク(UPCR)が有意に減少した(全用量群の反応率 35% vs プラセボ 7%; OR 4.9
[1.0-48.8])。忍容性も良好であり、重大な安全性の問題は認められなかった。 - Future:
本研究は、ポドサイト標的療法がFSGSにおいて有効である可能性を示す初のエビデンスとなった。今後、より長期かつ大規模な治験により、FSGSやその他のポドサイト病における安全性と有効性が詳細に評価される予定である。
出典: Lancet 2026; 407: 587-598
Switch to fixed-dose doravirine and islatravir once daily in virologically suppressed adults with HIV-1:
results of two phase 3 trials
- Known:
HIV-1治療ではインテグラーゼ阻害薬(INSTI)が標準だが、耐性化や体重増加などの懸念がある。治療の簡略化と副作用軽減のため、INSTIを含まない安全で効果的な2剤併用療法(2DR)が求められていた。 - New:
安定した治療を受けている患者を対象とした2つのフェーズ3試験において、Doravirine/Islatravir(100mg/0.25mg)への切り替えは、従来の3剤併用療法やINSTIベースの療法に対して、48週時点のウイルス抑制維持において非劣性を示した。忍容性も極めて良好であった。 - Future:
本剤は、INSTIを含まない1日1回1錠の2剤療法として、HIV-1患者の新たな選択肢となる可能性がある。また、Islatravirが持つ「長時間作用型」製剤としての将来的な可能性を裏付ける結果となった。
出典: Lancet 2026; 407: 599-621

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