今週のNEJM (Jan 22)

Sacituzumab Govitecan plus Pembrolizumab for Advanced Triple-Negative Breast Cancer

  • Known: Triple-Negative Breast Cancer (TNBC) は予後不良であり、特に未治療の局所進行または転移性症例においては、治療成績の向上が喫緊の課題であった。PD-L1陽性例に対する標準治療としての化学療法と免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) の併用療法の有効性については、さらなる検証が必要とされていた。
  • New: 未治療のPD-L1陽性進行TNBC患者において、Sacituzumab Govitecan (SG) と pembrolizumab の併用療法は、化学療法と pembrolizumab の併用療法と比較して、無増悪生存期間 (PFS) を統計学的に有意に延長することが示された。
  • Future: SGとpembrolizumabの併用療法は、未治療PD-L1陽性進行TNBC患者における新たな標準治療の選択肢となりうる可能性があり、全生存期間 (OS) や長期的な安全性に関するさらなるデータが待たれる。

Nivolumab for Resected Stage III or IV Melanoma at 9 Years

  • Known: CheckMate 238試験において、切除後Stage III-IV melanoma患者に対する術後補助療法としてnivolumabはipilimumabと比較してrecurrence-free survival (RFS) を延長することが示されていた。しかし、長期生存に関するデータは限られていた。
  • New: 9年近くに及ぶ追跡調査の結果、nivolumab群はipilimumab群と比較して持続的なRFSの延長(9年RFS 44% vs 37%)を示し、遠隔転移抑制効果および全生存率においても良好な傾向が維持された。
  • Future: 切除後Stage III-IV melanoma患者に対する術後補助療法としてのnivolumabの長期的な有効性と安全性が確認されたことから、本薬剤の標準治療としての位置づけがさらに強化されるとともに、長期生存を目指した治療戦略の構築に貢献する。

A Phase 2 Trial of Tobevibart plus Elebsiran in Hepatitis D

  • Known:
    現時点では、Hepatitis D virus (HDV) 感染症の治療法は限られており、根本的な治療法は確立されていない。Hepatitis B virus (HBV) surface antigen (HBsAg) はHDVの複製に不可欠であるため、HBsAgを標的とする治療薬はHDV感染症の治療に有効である可能性が示唆されている。Tobevebart(モノクローナル抗体)およびelebsiran(small interfering RNA)は、いずれもHBsAgを標的とする薬剤であるが、これらを併用または単独で慢性HDV感染症に用いた場合の有効性および安全性については不明であった。
  • New:
    本第2相試験において、tobevebartとelebsiranの併用療法ならびにtobevebart単独療法は、いずれもweek 48までHDV RNAおよびALT値を低下させ、特にtobevebartとelebsiranの併用療法は、undetectable HDV RNAおよびHBsAg値の低下において高い有効性を示した。
  • Future:
    tobevebartとelebsiranの併用療法は、HDV RNAの持続的な抑制とHBsAgクリアランスの達成を目指す慢性HDV感染症治療の有望な選択肢となりうるため、さらなる大規模臨床試験による有効性・安全性の検証が期待される。

Antithrombotic Therapy after Successful Catheter Ablation for Atrial Fibrillation

  • Known:
    心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーション(CA)は、AFの根源的治療法として広く行われている。CAの成功により、AFによる血栓塞栓症リスクが低下することは示唆されているが、AFが根治したとしても、長期間にわたる抗凝固療法の必要性がなくなるかどうかは確立されていなかった。特に、CHA2DS2-VAScスコアが1以上(女性または血管疾患をリスク因子とする場合は2以上)の患者では、CA成功後も血栓塞栓症のリスクが残存する可能性が懸念されていた。従来、このような患者群ではAFの有無にかかわらず、個々のリスク因子に基づいて抗血小板療法または経口抗凝固療法(OAC)が選択されてきた。
  • New:
    AFに対するCA成功後1年以上経過し、血栓塞栓症リスク因子を有する患者において、リバーロキサバンはアスピリンと比較して、脳卒中、全身性塞栓症、または新規の潜在性塞栓性脳卒中(MRIで定義)の複合エンドポイント発生率を有意に低下させなかった。
  • Future:
    AFに対するCA成功後の抗血栓療法選択においては、個々の患者のリスク因子を考慮しつつ、薬剤選択の最適化と費用対効果の検討が今後の課題となる。


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