【本】16052 武装解除 紛争屋が見た世界 by 伊勢崎賢治

投稿者: | 2016-06-20

筆者は世界の紛争現場で武装解除の活動を行ってきた。
その経験から、筆者が軍や平和に関して感じた実感が記載されており、面白い。
日本がカネを出すだけとよく言われるが、そこまで卑下する必要はないと筆者は言う。『本来、国際協力の世界では、金を出す者が一番偉い』といい、金を出しているのだから、もっと口を出していいではないか、というのが筆者の意見である。

九条についての筆者の意見は、九条の解釈がここまでブレている現在、憲法を下手に変更せずに、政治判断へのブレーキとして残しておいたほうがいいのでは、というものです。

“「平和を支える治安装置」の存在に、日本メディアは全般的に嗅覚が麻痺していると思う。しっかり認識されなければならないのは、当時の平和は、それだけの兵力を投入して初めて保たれていたということである。これが、「抑止力」の威力”

“軍というのは、監視する〝権威〟(監視だけだったらメディアでもできる)を外に置かない限り、自らの意思で決して分をわきまえることはない。”

“「和解」の先走り。これほど、戦争の被害者の気持ちを蹂躙するものはない。「裁き」と「和解」は、常に車の両輪であり、被害者だけに寛容さを求める権利は誰にもないことを僕たち〝部外者〟は肝に銘ずる必要がある。”

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